【北京時事】中国の習近平国家主席は17日、スイスで開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で基調演説し、保護貿易主義に強く反対する考えを表明した。トランプ次期米大統領の就任を20日に控え、保護主義色を鮮明にする同氏をけん制した。 習主席は「どの国にも発展の権利はある」としながらも、「その代償として他国の利益を損なうことは許されない」と強調。米国人の雇用を守るために中国からの輸入品に高率関税を適用するとしているトランプ氏の政策を暗に批判した。 その上で「保護主義は部屋に閉じこもるのと同じで、雨風をしのげるが太陽の光と空気からも断絶する」とマイナス点を指摘。「貿易紛争となれば双方とも傷を負うだけだ」と警告した。 一方で習主席は、トランプ氏が中国を「為替操作国」に指定すると繰り返していることを念頭に「人民元切り下げで競争力を向上させる考えはなく、通貨安戦争を仕掛けることもない」と約束。「中国のドアは常に世界に開かれており、閉じることはない」と市場開放推進の方針もアピールした。 中国は経済分野ではトランプ氏の挑発に安易に乗らず、「相互に利益がある関係を望んでいる」(外交筋)。ただ、トランプ政権発足後、実際に対中強硬措置を連発した場合、報復するのは間違いなく、激しい米中貿易摩擦も予想される。(2017/01/17-21:39)
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