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日豪首脳、TPP早期発効へ連携 米新政権に訴え :日本経済新聞

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NewsHub【シドニー=上林由宇太】安倍晋三首相は14日、オーストラリアのシドニーでターンブル首相と約1時間30分間会談した。日本側によると、両首脳は自由貿易の重要性を世界に示すため、環太平洋経済連携協定(TPP)の早期発効で緊密な連携を確認。米国に様々な機会を通じてTPPの意義や価値を粘り強く訴えていくことを申し合わせた。
共同記者発表を終え、オーストラリアのターンブル首相(右)と握手する安倍首相=14日、シドニー(共同)
「世界的に反グローバリズムや保護主義の流れが見られる。自由で開かれた法の支配に基づく国際秩序のため、日豪、日米豪の協力は重要だ」
シドニー市内の首相公邸で開いた会談の冒頭、安倍首相はこう強調した。トランプ次期米大統領の就任を20日に控えた日豪首脳会談は、アジア太平洋地域の経済・安全保障の両面で、米国の関与の重要性をトランプ新政権に訴える場になった。
両首脳はTPPに関して「高い戦略的、経済的な価値を持つ」と確認。安倍首相は共同記者発表で「自由貿易の重要性を世界に示していくべきだとの考えで一致した」と述べ、TPPに参加する12カ国中、経済規模で2番目の日本と4番目の豪州が協調してトランプ氏に理解を求めていく考えをにじませた。
会談では自由貿易の枠組みで「質の高い東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に向けて緊密に連携する」ことでも一致した。豪州はTPPとともに、RCEPの早期妥結を目指している。日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加するRCEPは米国抜きのため最大の経済国は中国。中国との経済連携を深めるターンブル首相の期待は大きい。
一方、日本はRCEPをTPPと同列に扱っていない。中国主導のRCEPでは知的財産などの扱いで、TPPほどの高い水準のルール作りが期待できないからだ。日豪首脳会談でも「TPPが引き続き必要不可欠な優先事項」と確認した。
ただ安倍首相はTPPで米国の翻意を促すため、TPPが進まない場合は「RCEPに軸足が移っていくことは間違いない」とも語る。この日も共同記者発表で「RCEPの早期妥結に向けて連携していく」と発言した。中国主導のRCEPとの間合いをどう取っていくか、トランプ氏の出方をみながら難しいかじ取りになる。

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