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金正男氏暗殺 恐怖政治の限界に備えよ

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恐怖政治の 極まりを印象づけていないか。 北朝鮮の 金正恩朝鮮労働党委員長の 異母兄、 金正男氏が、 マレーシアの 空港で暗殺された。 正恩氏は、 実力者とみなされていた叔父の 張…
恐怖政治の極まりを印象づけていないか。 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が、マレーシアの空港で暗殺された。 正恩氏は、実力者とみなされていた叔父の張成沢氏ら幹部を相次ぎ粛清した。それを主導した金元弘国家保衛相が先月失脚し、多くの同省幹部も処刑されたという。 若い指導者として、頼みにしていた人物さえ信用しない。正男氏が北朝鮮で影響力を持っていたとは思えないが、「政敵」としてとどめを刺したのだろうか。 確かなのは、著しく常軌を逸した体制とその指導者が日本のすぐ近くに存在し、核・ミサイルをもてあそんでいることである。 恐怖政治による体制維持はこれ以上、可能なのか。国際社会は重大な警戒心を持ち、さらなる暴走や崩壊に備える必要がある。 日米首脳が同盟を確認しあうさなかに、北朝鮮は中距離弾道ミサイルを発射した。国連安全保障理事会が非難声明を出すと「全面的に排撃する」と反発する。 対外的な宣伝戦のさなか、第三国で政敵が暗殺された。北朝鮮の手によるものとすれば、残忍なテロ国家の本性がむき出しだ。 注目される出来事は、北朝鮮のテ・ヨンホ元駐英公使が最近、亡命したことである。 正恩氏が年内の核・ミサイル開発完成を意図していることなどを明かし、体制の先行きに危うさを指摘した。エリート幹部の亡命は他にもあると伝えられる。 不測の事態にどう備えるか。強力な抑止力を持つ米国の役割は大きい。トランプ大統領は北朝鮮の脅威に対する警戒感が強い。ただ、いかに北朝鮮に対処するかの具体策はまだ固まっていない。 韓国では次期大統領選に向け、親北朝鮮の野党指導者が支持を広げている。 核・ミサイルの脅威と直面する日本と米韓両国のより強い結束が欠かせない状態に入っていることを認識したい。 中国の役割も当然大きい。中国はかねて、正男氏を通じて北朝鮮に「改革開放」を働きかけようとしていたのではないか。正男氏を保護してきたのも、そのためだったろう。 さらなる制裁などで北朝鮮に圧力をかける必要性が高まっている。中国も足並みをそろえ、地域の平和と安定に努めるべきだ。

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