あなたと生きた日を忘れない--。 連続した突然の 激震が大好きな家族、 友を奪った熊本地震から1年となった14日、 被災地ではあの 日の 別れを惜しみ、 復興を誓う人たちの 祈りに包まれた。
あなたと生きた日を忘れない--。連続した突然の激震が大好きな家族、友を奪った熊本地震から1年となった14日、被災地ではあの日の別れを惜しみ、復興を誓う人たちの祈りに包まれた。
前震で倒壊した自宅の下敷きになって死亡した熊本県益城町惣領の荒牧不二人さん(当時84歳)宅には14日早朝、60年来の付き合いがある同町の電気工事業、西村治信さん(83)が訪れ親友の死を悼んだ。西村さんは「まだ生きている気がするけど、くよくよしたってどぎゃんならん。はよ成仏してくれ」と祈りをささげた。
昨年4月14日、頼まれて朝から荒牧さん宅の庭にある松の手入れをしていた。「明日、また手入れするけんな」。午後7時ごろ別れた数時間後、震度7の前震が襲った。午後10時半ごろに荒牧さんの様子を見に来ると、救出する消防団などが既に集まっていた。「寝とらすような顔だった」
あれから1年、ほぼ毎日のようにあるじのいない荒牧さん宅で手を合わせた。更地となった自宅跡に設けた小さな祭壇には一周忌を前にした13日、「生花だとすぐ枯れてしまう」と菊の造花を飾った。【出口絢】
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