Home Japan Japan — in Japanese 徹夜攻防、最後は数 議場に歓声と怒号交錯

徹夜攻防、最後は数 議場に歓声と怒号交錯

100
0
SHARE

「共謀罪」 の 成立要件を改めたテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法は、 日付をまたぐ与野党の 攻防の 末、 15日朝、 参院本会議で可決・ 成立した。 「良識の 府」 で法務委員会の 採決を省略する「数の 力」 に頼った強引な手法で早期成立を図った与党に対し、 野党は「歴史に禍根を残す」 と怒りをあらわにした。 国会の 外で、 夜通し抗議の 声を上げ続けた市民たちは「法の 廃止を訴えていく」 と決意した。
「共謀罪」の成立要件を改めたテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法は、日付をまたぐ与野党の攻防の末、15日朝、参院本会議で可決・成立した。「良識の府」で法務委員会の採決を省略する「数の力」に頼った強引な手法で早期成立を図った与党に対し、野党は「歴史に禍根を残す」と怒りをあらわにした。国会の外で、夜通し抗議の声を上げ続けた市民たちは「法の廃止を訴えていく」と決意した。
「白色票(賛成)165、青色票(反対)70……」。午前7時45分ごろ、伊達忠一議長が投票結果を読み上げ始めると、参院本会議場には大きな拍手と歓声、そして怒号が交錯した。
午前7時過ぎに参院本会議で始まった法案の採決。野党議員らはわざとゆっくりと歩く「牛歩戦術」を取った。「投票時間を2分に制限します」。与党議員らのヤジを受け、伊達議長が締め切り時間を宣言。社民党の福島瑞穂氏と又市征治氏、自由党の森裕子氏の3人は駆け込むように、投票ケースに青色票を投げ込んだ。
投票の有効性を巡り協議が続く。「議決権を奪うのか」「パフォーマンスだ」。疲れ切った表情で、激しいヤジを戦わせたり、机をたたいたりする与野党議員たち。伊達氏が投票結果を公表するまでに約10分かかった。
参院本会議は前日夜、山本順三・議院運営委員長(自民党)の解任決議案否決などを経て中断した。衆院本会議での内閣不信任決議案否決をはさみ、15日午前2時半から改めて審議した。
中間報告に続く、採決前の討論。「(15日は)委員会の定例日。なぜ委員会を省き、本会議で審議なのか。官邸に言われるがまま議会運営を進める与党は、強く恥じるべきだ」。民進党の蓮舫代表は、与党の強引な国会運営を厳しく指弾した。一方、自民党の西田昌司氏はテロ対策の重要性を改めて強調し、「野党は国民の不安をあおっている」と非難した。だが、委員会の審議を強引に打ち切る中間報告に至った経緯については、一切言及しなかった。
法が可決・成立すると、与党議員たちは足早に本会議場から立ち去った。秋野公造法務委員長(公明党)は「委員長として職責を果たした」と言葉少な。一方で法務委の野党筆頭理事、真山勇一氏(民進党)は「(与党が早く立ち去ったのは)後ろめたさがあったのでは」と述べた。
結局、3人の票は無効扱いとなった。福島氏は「とても残念だ。『共謀罪』は希代の悪法。(採決を)1秒でも遅らせよう、すんなり通したらいけないと(牛歩戦術の実施を)決めた。こんなやり方で成立させてはいけない」と憤った。【遠藤拓、島田信幸、巽賢司】

Continue reading...