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モディ印首相「保護主義台頭、人類の脅威に」 ダボス会議で基調講演

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インドの モディ首相は23日、 世界経済フォーラムの 年次総会(ダボス会議)で開幕にあたり基調講演した。 モディ氏は「保護主義の 動きがグローバル化を脅かしている」 と述べ
【ダボス(スイス東部)=小滝麻理子】インドのモディ首相は23日、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で開幕にあたり基調講演した。モディ氏は「保護主義の動きがグローバル化を脅かしている」と述べ、各国の指導者に分断を埋める努力を呼びかけた。 IT(情報技術)の進展などを背景に、旧来の国際秩序は変化を迫られているとも強調。「新興国を含めて多極化した新たな秩序を構築すべきだ」と訴えた。 23日、ダボス会議でインド首相として初の演説に臨んだモディ氏=ロイター インドの首相がダボス会議に参加するのは1997年以来、約20年ぶり。基調講演するのは初めてだ。 モディ氏は、現在の人類が直面する脅威として、異常気象やテロと並び、保護主義の台頭を挙げた。そのうえで「世界中で自国本意の傾向が強まっている」と指摘。「保護主義の力はグローバル化を覆そうとしており、関税などにも上昇圧力がかかっている」と話し、強い懸念を表明した。 ITや科学の進歩により、過去20年間で世界はより複雑に絡んで、雇用環境や人々の生活にも根本的な変化が生じ、サイバー攻撃など新たな脅威も生じているとの見方を示した。「あらゆる問題の解決策は孤立主義ではない。世界の変化を受け止め、理解することが重要だ」と述べ、大国間の対話や連携の重要性を繰り返した。 第2次世界大戦後に構築された現在の国際秩序が変革を求められていることにも言及。国連や世界貿易機関(WTO)などを例に挙げて、「これらは本当に新興国を含めた幅広い声を反映しているか」と問いかけ、「多極化した世界を共に構築しよう」と訴えた。 インド国内については、首相に就任して以来進める「根源的な社会・経済改革を続ける」と発言。外資を呼び込むための市場開放政策や税制改革の重要性を説明した。 モディ氏は演説で、成長著しい新興国からグローバルな大国への脱皮を図ろうとする思いをにじませた。持続的な成長に向け、投資誘致や技術移転が不可欠なインドにとって、グローバル化した世界の存在は大前提となる。米国を中心に保護主義に傾く世界に警鐘を鳴らし、温暖化対策などで主導的な役割を担うと力説し、国際協調を広く呼びかけた。 同時に、一極支配の意図が見え隠れする中国をけん制する文言も随所にちりばめた。名指し批判こそしなかったものの、幾度も「民主主義」という言葉を使った。「アフリカや周辺国の経済発展にインドも協力するが、各国の優先順位と必要性が前提だ」とも言明。アジア各国に巨額の資金を貸し付け、インフラ整備を促し、対中債務をテコに親中化を図る「債務のワナ」戦略を暗に批判した。

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