音楽家の 小室哲哉さん（59）が19日、 東京都内で記者会見し、 引退を表明した。 1990年代にＴＲＦ、 篠原涼子さん、 安室奈美恵さん、 華原朋美らをスターダムに押し上げた大物プロデューサーの 退場。 天才作詞家
音楽家の小室哲哉さん（59）が19日、東京都内で記者会見し、引退を表明した。1990年代にＴＲＦ、篠原涼子さん、安室奈美恵さん、華原朋美らをスターダムに押し上げた大物プロデューサーの退場。天才作詞家の阿久悠さん、「モーニング娘。」を仕掛けたつんくさん、「ＡＫＢ48」の秋元康さんなど、少数の仕掛けに人に音楽業界が依存する時代は過ぎ去りつつある。今の音楽のビジネスモデルを探った。 引退を表明した小室哲哉さん＝共同 小室さんの楽曲を多く手掛ける エイベックス の19日の株価は、引退会見に反応したのか、一時25円安の1518円まで下げる場面があった。ただ、下げは一時的で、すぐに上昇に転じ、終値は前日に比べ23円高い1566円となった。 ぶれない株価は、少数の音楽プロデューサーに依存する戦略を既に捨てているエイベックスの今を反映していると言える。同社が2017年５月に発表した「成長戦略2020 進捗と業績目標」では、成長市場をライブ、アニメ、デジタルと定義し、全方位で外部連携を進めていく方針を打ち出している。 ＣＤ販売が減少する一方で、音楽配信やライブビジネスが急成長しており、舞台が大きくなる分、携わる人材は広範囲にわたるようになってきた。アーティスト側も、大手に所属せず、ユーチューブなどで独自に活動する場面が増えている。 音楽からエンターテインメント全体に領域が広がる今のビジネス形態では、特定分野に通じた才能が指揮するより、複数の人材がチームとして動くほうが生産性が高い。不倫騒動という醜聞を切り離しても、小室さんの引退は時代の流れだったのかもしれない。 （石塚史人、黒瀬泰斗）
