【北京・ 浦松丈二、 赤間清広】 中国の 国会にあたる第１３期全国人民代表大会（全人代）第１回会議が５日、 北京の 人民大会堂で開会した。 李克強首相は施政方針にあたる政府活動報告で、 今年の 経済成長率の 目標を２０１７年と同じ「６．５％前後」 に据え置いた。 国防費は前年実績比８．１％増の １兆１０６９億元（約１８兆４０００億円）と発表された。 「２期１０年まで」 との 国家主席の 任期上限を撤廃する憲法改正案についても説明され、 習近平国家主席（共産党総書記）の 長期政権への 布石が打たれた。
【北京・浦松丈二、赤間清広】中国の国会にあたる第１３期全国人民代表大会（全人代）第１回会議が５日、北京の人民大会堂で開会した。李克強首相は施政方針にあたる政府活動報告で、今年の経済成長率の目標を２０１７年と同じ「６．５％前後」に据え置いた。国防費は前年実績比８．１％増の１兆１０６９億元（約１８兆４０００億円）と発表された。「２期１０年まで」との国家主席の任期上限を撤廃する憲法改正案についても説明され、習近平国家主席（共産党総書記）の長期政権への布石が打たれた。
全人代幹部は、任期上限の撤廃について「（習氏が兼務する）党総書記、党中央軍事委員会主席は党規約に『２期まで』との規定がないため」と説明した。だが、江沢民、胡錦濤の両主席経験者は、国家主席の任期切れを前に党総書記を退いており、任期撤廃は前例のない「禁じ手」（北京外交関係者）との見方もある。
国防費（中央政府分）の伸び率は昨年７％から約１ポイント増加。３年連続で１桁にとどまったが、経済成長が鈍化する中でも国内総生産（ＧＤＰ）の伸び率を上回った。
李氏は報告で、昨年１０月の第１９回党大会で党の憲法である党規約入りした「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」を高く評価。「習近平総書記の核心としての地位を断固として守る」と強調した。
経済分野では、量から質への転換を表明。保護主義への反対を強調して、鉄鋼などの輸入制限措置を検討する米トランプ政権をけん制した。
１７～１９日の人事では、習氏の盟友とされる王岐山・前党中央規律検査委員会書記が国家副主席などの要職に就くかが焦点。中国人民銀行（中央銀行）の周小川総裁も引退する見通しで、後任人事が注目される。
