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日大選手会見 スポーツ界最大の悲劇だ

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日本スポーツ界最大級の 悲劇である。 行き過ぎた勝利至上主義や上意下達など、 大学運動部の 悪(あ)しき部分が凝縮し、 噴出したもの だ。 到底、 看過できるもの ではない。 アメ…
日本スポーツ界最大級の悲劇である。行き過ぎた勝利至上主義や上意下達など、大学運動部の悪(あ)しき部分が凝縮し、噴出したものだ。到底、看過できるものではない。
アメリカンフットボールの定期戦で関西学院大の選手を負傷させた日大の宮川泰介選手が会見を開き、関学選手側に謝罪するとともに、悪質なプレーが監督やコーチの指示によるものであったことを明確に説明した。
これほど悲痛な会見を見たことがない。「顔を出さない謝罪はない」と自ら語ってカメラの放列の前に立ち、深々と頭を下げた。質問者の目を真っすぐに見ながら、必死に言葉を選び続けた。
何より許せないのは、アメフットを愛し、日本代表にも選ばれた選手に「アメフットが好きではなくなった」「この先、競技を続ける権利はない」といわせたことである。監督、コーチらが寄ってたかって1人の選手を追い詰め、危険なタックルを強要し、選手生命を奪おうとしている。
宮川選手は、関学選手を負傷させた加害者であるとして何度も謝罪の言葉を重ねたが、一方で彼は日大アメフット部の被害者でもある。その罪は、首脳陣の方がはるかに大きい。
反則による退場後、事の重大さに泣く宮川選手に、内田正人前監督は「相手のことは考えなくていい。周りに聞かれたら『おれがやらせたんだ』といえ」といい放ったのだという。
ところが社会問題化後は指示の有無について明言せず、「いろいろな臆測に対応し切れない。心外だ」とまで述べていた。
内田氏は監督を辞任したが、大学の実質ナンバー2である常務理事の職は続行する。教育に携わる資格があるのか。日大は相当の決意をもって大学や部のあり方を見直さなければ、社会的存在意義さえ問われる。
関東学生アメリカンフットボール連盟の15大学は21日、この問題を受けて共同宣言を発表し、「日本のフットボールが将来も存続し得るか、極めて強い危機感を持っている」と懸念を示した。日大は「判断できない」として名前を連ねていない。日大こそ、極限の危機感を持つべきである。
宮川選手は、十分に反省している。痛いほど、それは伝わった。なんとか彼が、競技を続ける方策はないだろうか。

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