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米国の輸入車関税上げ検討、国内業界や米与党内からも批判

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[24日 ロイター] – トランプ米政権が検討している自動車の 輸入関税引き上げを巡り、 外国政府や海外自動車メーカーだけでなく米国内の 業界団体および与党共和党の 議員からも厳しい批判の 声が上がった。 米
[24日 ロイター] – トランプ米政権が検討している自動車の輸入関税引き上げを巡り、外国政府や海外自動車メーカーだけでなく米国内の業界団体および与党共和党の議員からも厳しい批判の声が上がった。
米商務省は23日、乗用車やトラックなどの車両や関連部品の輸入が国内の自動車産業を侵害し、安全保障を脅かしたかどうか通商拡大法232条に基づき調査を開始すると発表。
全米商工会議所のドナヒュー会頭は声明で、「まさに守ろうとしている業界に想像を絶する悪影響を与えることになり、国際的貿易戦争を引き起こす恐れがある」と警告した。
米国および外資系の自動車大手で構成する米自動車工業会(AAM)は、トランプ政権に「自由貿易の障壁を取り除く」よう訴えるとともに、輸入自動車は国家安全保障へのリスクではないと確信していると表明し、輸入制限を支持しない姿勢を示唆した。
AAMによると、昨年は国内外の自動車メーカー13社が米国内で1200万台近くの自動車を生産。「同業界は引き続き、国内製品の主要輸出業者だ」と指摘した。
米政府統計によると、米国の昨年の自動車輸出は200万台近くで、額にして570億ドルに上った。自動車輸入は830万台で、総額1920億ドル。国別の輸入は、メキシコが240万台、カナダが180万台、日本が170万台、韓国が93万台、ドイツが50万台となった。
<薄っぺらな論理>
カナダのトルドー首相はロイターとのインタビューで、米国の輸入関税検討は薄っぺらな論理に基づいており、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でカナダなどに圧力をかける意図があるとの見解を示した。
独IFO経済研究所のエコノミスト、ガブリエル・フェルベルマイヤー氏は、米輸入関税はドイツ国内総生産(GDP)を0.16%押し下げることになると推定。「想定される絶対的損失では、ドイツを上回る国はない」と述べた。
独自動車大手BMW 、ダイムラー 、フォルクスワーゲン(VW) は北米の高級自動車市場のシェアが合計で90%を上回っている。
ドイツのシュルツ財務相は、欧州連合(EU)は結束して米輸入関税の脅威に対抗する必要があると述べた。
全米自動車労組(UAW)のデニス・ウィリアムズ委員長は、トランプ大統領の通商政策や国内雇用保護に向けた取り組みを支持すると表明。ただ、これは今年の中間選挙での共和党支持を意味するわけではないと指摘。「議会共和党は国内労働者の要求を完全に無視してきた」と批判した。
議会共和党の複数の議員も自動車輸入に関する調査開始に反対する意向を示した。上院財政委員会のハッチ委員長は、輸入関税は「完全に間違っている」と強調し、「中国の貿易慣行への対応に引き続き注力」するよう政権側に求めた。
自動車業界の幹部らは匿名を条件に、複数の議員がこの問題に関して公聴会開催を検討しており、大統領が通商拡大法232条に基づき調査を指示する権限を制限する措置を提案する可能性があると明かした。
モーニングスターのアナリスト、デイビッド・ウィストン氏は調査メモで、このような措置は安全保障というよりも、トランプ氏が大統領選で勝利した州で雇用を保護するという隠れた狙いがあると分析。「関税(が提案されても)恒久的に実施することはないとみられ、最終的には米雇用の喪失につながる見通しだ」とした。
24日の取引でゼネラル・モーターズ(GM) は1.4%高、フォード・モーター は1.6%高で引けた。
欧州市場ではBMWとダイムラーが一時3.5%下落し、VWは2.5%安で終了。日産自動車 への出資を通じて米市場の影響を受けやすいルノー は一時2.1%安となった。
高関税が発動された場合、米国を主要市場と位置付けているトヨタ自動車 、日産、ホンダ 、韓国の現代自動車 といったアジアのメーカーへの影響は大きいとみられる。
トヨタは、米国が自動車に輸入関税をかければ、米国の雇用が阻害され、米国の消費者にとりコスト増につながる可能性があるとの見解を示した。
日本、中国、韓国の各国政府は状況を注視すると表明。中国政府は自国の利益を守ると付け加えた。

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