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Facebook・ザッカーバーグCEOの育児休暇取得は、なぜ女性にとって朗報なのか

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アメリカの 若きビリオネアは、 男性の 育児休暇に対しての 世間の 考え方も変えるか。
マーク・ザッカーバーグとプリシラ・チャン夫妻。2015年9月25日金曜日、アメリカのワシントンD. Cのホワイトハウスで、中国の習近平国家主席を主賓とする公式晩餐会に出席した。
Facebookの創始者であり同社の最高経営責任者(CEO)、マーク・ザッカーバーグは最近、2カ月間の育児休暇を取ることを発表した。妻のプリシラ・チャンさんが初めて妊娠したのだ。
これはFacebookで、そしてアメリカで働く男性たち(そして、その家族たち)の両方にとって一大事だ。アメリカで男性はめったに育児休暇を取らないし、ほとんどの企業がそれを許さない。フォーチュン誌が選んだ「働きがいのある企業100社」にランクインしている企業で、育児休暇を取る最高経営責任者なんて聞いたことがない。
ザッカーバーグの動きは、「男性たちが自分の仕事よりも家族を優先しても大丈夫だ」というメッセージになっている。少なくとも家庭に生まれたばかりの赤ん坊がいる時期だけでも。ザッカーバーグによって、他の父親たちが休暇を取るようになる可能性は高い。
そしてこれはまた、女性にとっても驚くべきニュースだ。女性たちは母親になる際、職場で深刻な制約や差別に直面することが多い。男性が育児休暇を取る時、仕事と家庭を両立することは、単なる「女性の仕事」ではないというメッセージとなり、職場での男女間の真の理解と共感を進めるのに大いに役立つ。
「女性と男性の両方が育休を取り、家庭で新生児と暮らすことがどういうことかを理解することは、夫婦の間に特別な連帯感を育みます」。コンサルティング会社EYのナンシー・アルトベッロ副会長は、2015年の夏、ハフポストUS版に対して述べた。これは同社が、父親たちに育児休暇の取得を推奨する理由について説明した際のコメントだ。
親になった際、女性と男性は、ある固定観念と間違った期待に晒される。男性は特に家庭で、子育てに参加していないと厳しい批判に晒される。女性は職場で、上司から仕事を辞めるようにパワハラを受けるかもしれない。
ザッカーバーグ氏はFacebookで、娘のために、子供用の本とおもちゃを選んでいると投稿していた。
一家の「稼ぎ頭」として仕事を優先するのが「いい父親」だ、という観念は未だに根強い。たしかに、男性は子供ができた後に給料が上がりやすいという研究結果が出ている。
ただ、「稼ぎ頭」の40%を女性が占めている現代でも、その傾向が変わらないのは驚きだ。そして現在でも多くの職場で、女性は仕事よりも家庭を優先すると誤解され、仕事を任されにくい、または勤勉でないと判断される事態が起こっている。
「母親は雇用される可能性が低く、職場で有能であると判断される可能性、また同じ職務を持っている男性と同じ給料を支払われる可能性が低い」とクレア・ミラー氏は2014年、ニューヨークタイムズ紙で紹介した。15年間に及ぶ研究では、女性たちの給料が、1人の子供を持つごとに4%減少したと述べた。男性の給料は子供を持った後、6%以上増加した。
母親と、母親でない女性の給料格差は、男女の間の給料格差よりも広がっていると指摘する研究結果も発表された。
また女性が「子供より仕事を優先する」と述べることも難しい。ひどい母親だと、厳しい批判に晒されてしまうためだ。
Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOは、一方からは育児休暇を取った期間が短いと批判され、他方からは仕事を離れたことを批判された。
「女性は本来、仕事志向ではなく、家庭志向でいることが期待されています」。職場での性差による期待を研究する、ハーバード・ビジネス・スクールのロビン・イリー教授は、ハフポストUS版に対して述べた。「期待というのは、あなたはそれをしなければ、いいお母さんではないというものです」
Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOは、12月に双子を出産した後、2~3週間だけ仕事を離れる、と2015年の秋発表したとき、批判的な人々はすかさず責めたてた。「マリッサ・メイヤーの2週間の産休はでたらめだ」が、デイリー・ビースト誌の大見出しだった。ネット上の至るところで、似たような批判が飛び交っていた。
メイヤー氏がYahoo!のCEOに着任したばかりの2012年に、彼女の2週間の育児休暇を取得したことに触れ、テレグラフ紙は彼女のジレンマをとても上手にまとめている。「彼女の”14日間”という短い育児休暇により、多くの人々は彼女が母親として、本当に子育てを優先しているのか疑問を持つようになった。また他方では、彼女が育児休暇を取ったことで、本当に仕事に専念しているのかと疑った」
“パーカーを着たCEO”は、男性の育児休暇についての考えかたも変えるか。
男性は異なる課題に直面している。ザッカーバーグ氏のような若い世代の男性が、積極的に子育てに関わりたいと思ったときに直面する課題だ。彼らは「仕事が最優先事項ではない」と明らかにすると、途端に汚名を着せられ、不利にさせられる。
「男性が育児休暇を取るという発想を、私の上司は理解してくれませんでした。男性たちは普通そんなことはしないと。彼らは私をからかいました」。最近の研究で、ある一流コンサルティング会社の社員は、ボストン大学の研究者に対してこう述べた。「その時上司の一人が私に言ったのです。あなたは選択しなければならない。プロフェッショナルになるのか、それともあなたの分野で平均的な人でいるのか。もしプロフェッショナルになりたいのなら、仕事以上に優先すべきものなどない」
育児休暇を取る男性たちは、その子供の人生に対して、より関与する親になことを決めた父親だ。立派なことではないだろうか。彼らの存在はパートナーにとっても重要だ。共働き夫婦で家事のほとんどを引き受けるのが女性であるパターンは現状、あまりにも多い。
Men want time with family, stigmas often keep them from doing so.

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