Start Japan Japan — in Japanese 特別リポート:製造業の町、労働者がトランプ氏に求めるもの

特別リポート:製造業の町、労働者がトランプ氏に求めるもの

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トランプ大統領をはじめとする多くの 政治家は、 米国にはもっと製造業の 雇用が必要だと主張するが、 この 小さな町には、 十分すぎるほどの 働き口がある。 ここにいる労働者の 多くにとって、 問題は雇用の 数ではなく質だ。 ブランドン・ サイツさん(32)の 場合がまさにそれだ。 中西部インディアナ州エルクハートは、 世界の キャンピ
Timothy Aeppel [エルクハート(米インディアナ州) 20日 ロイター] – トランプ大統領をはじめとする多くの政治家は、米国にはもっと製造業の雇用が必要だと主張するが、この小さな町には、十分すぎるほどの働き口がある。ここにいる労働者の多くにとって、問題は雇用の数ではなく質だ。 ブランドン・サイツさん(32)の場合がまさにそれだ。中西部インディアナ州エルクハートは、世界のキャンピングカー(RV)の首都と呼ばれるほどRV製造が盛んで、サイツさんは、地元工場の組み立てラインで12年間働いた。そこで、細身のサイツさんは体を壊しかけたという。 他のRV工場の組み立て作業員と同様に、サイツさんの給料は、低い時給と、「ピース・レート(出来高払い)」と呼ばれる、割の良い特別手当という組み合わせだった。生産目標を達成して特別手当を得るため、組み立てラインは大忙しで、事故が起きることも多かった。工場勤務を始めた年、鉄鋼フレームがサイツさんに当たり、膝の腱が切れた。 そして、工場の中は暑い。大半のRV工場には、空調設備がない。「いつも汗をかいていた。夏は、2.5ガロン(約9.5リットル)の水を飲んでもまだ喉がかわく日もあった」と、サイツさんは言う。2014年に、背中を切開してレーザーで腎臓の結石を除去する手術を受けた。脱水状態が原因だと言われたという。 それをきっかけに、サイツさんはRV工場の生産ラインでは二度と働かないと決めた。「カネは良いが、身体に悪すぎる」 昨年の大統領選で、トランプ候補がアメリカ造業の復活を公約し始めたころ、エルクハートでは、まさにその復活が進行していた。 2008年から2009年にかけてのグレートリセッション(大不況)では、地元の失業率は20%に達しており、全国でも最悪レベルだったが、その後、季節調整後で1.9%にまで低下。この20年で最低となっただけでなく、全米平均の4.3%も大きく下回っている。 [エルクハート(米インディアナ州) 20日 ロイター] – トランプ大統領をはじめとする多くの政治家は、米国にはもっと製造業の雇用が必要だと主張するが、この小さな町には、十分すぎるほどの働き口がある。ここにいる労働者の多くにとって、問題は雇用の数ではなく質だ。 ブランドン・サイツさん(32)の場合がまさにそれだ。中西部インディアナ州エルクハートは、世界のキャンピングカー(RV)の首都と呼ばれるほどRV製造が盛んで、サイツさんは、地元工場の組み立てラインで12年間働いた。そこで、細身のサイツさんは体を壊しかけたという。 他のRV工場の組み立て作業員と同様に、サイツさんの給料は、低い時給と、「ピース・レート(出来高払い)」と呼ばれる、割の良い特別手当という組み合わせだった。生産目標を達成して特別手当を得るため、組み立てラインは大忙しで、事故が起きることも多かった。工場勤務を始めた年、鉄鋼フレームがサイツさんに当たり、膝の腱が切れた。 そして、工場の中は暑い。大半のRV工場には、空調設備がない。「いつも汗をかいていた。夏は、2.5ガロン(約9.5リットル)の水を飲んでもまだ喉がかわく日もあった」と、サイツさんは言う。2014年に、背中を切開してレーザーで腎臓の結石を除去する手術を受けた。脱水状態が原因だと言われたという。 それをきっかけに、サイツさんはRV工場の生産ラインでは二度と働かないと決めた。「カネは良いが、身体に悪すぎる」 昨年の大統領選で、トランプ候補がアメリカ造業の復活を公約し始めたころ、エルクハートでは、まさにその復活が進行していた。 2008年から2009年にかけてのグレートリセッション(大不況)では、地元の失業率は20%に達しており、全国でも最悪レベルだったが、その後、季節調整後で1.9%にまで低下。この20年で最低となっただけでなく、全米平均の4.3%も大きく下回っている。

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