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イシグロ作品、選考委員が講評 文学賞など授賞式

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2017年の ノーベル文学賞などの 授賞式が10日夕、 スウェーデン・ ストックホルムの コンサートホールで開かれた。 文学賞の 作家カズオ・ イシグロさん(63)をはじめ、 平和賞を除く5部門11人の 受賞者に、 カー…
2017年のノーベル文学賞などの授賞式が10日夕、スウェーデン・ストックホルムのコンサートホールで開かれた。文学賞の作家カズオ・イシグロさん(63)をはじめ、平和賞を除く5部門11人の受賞者に、カール16世グスタフ・スウェーデン国王からメダルと賞状が贈られた。
授賞式には王室のメンバーや招待客ら1千人以上が参列。物理学賞、化学賞、医学生理学賞、文学賞、経済学賞の順に、選考委員の代表が講評を述べ、それぞれの受賞者が賞を受けた。
文学賞の授賞理由について、選考委員の一人でスウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務局長が講評。 SFや神話など一作ごとに新しい要素を取りいれるイシグロさんだが、「共通点は『過去と現在の関係性』を探り当てること」とし、また「記憶と忘却」が重要なテーマであり、個人や共同体や社会との関係を「探検し続けている」と評した。
文学賞のイシグロさんは1954年長崎生まれの日系英国人。授賞式後、ストックホルム市庁舎で開かれた晩餐(ばんさん)会のスピーチで、幼い頃に直感的に知った平和とノーベル賞の関係について語った。5歳の時、長崎で「ノーベルショウ」は「ヘイワを広めるためにつくられた」と母から聞いた。当時は、母も被爆した長崎への原爆投下から14年。今、敵対と不信感の時代にあって、「文学がそうであるように、ノーベル賞は、互いを分断する壁を越え、人類として共に何に立ち向かっていくべきなのかを思い出させてくれます」とあいさつした。(ストックホルム=編集委員・吉村千彰)

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