Home Japan Japan — in Japanese 除染で農地再生研究員奔走 鹿児島出身の万福さん 飯舘村住民と寄り添い6年

除染で農地再生研究員奔走 鹿児島出身の万福さん 飯舘村住民と寄り添い6年

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東京電力福島第1原発事故の 影響で昨年3月まで全村避難を強いられた福島県飯舘村で、 農林水産省所管の 「農業・ 食品産業技…
東京電力福島第1原発事故の影響で昨年3月まで全村避難を強いられた福島県飯舘村で、農林水産省所管の「農業・食品産業技術総合研究機構」研究員、万福(まんぷく)裕造さん(45)=鹿児島県姶良市出身=が、除染後の農地の再生に取り組んでいる。村役場への派遣から6年となり、住民の信頼も厚い万福さん。「放射性物質セシウムの基準値を超える米は5年連続で出ていない。農家の自信を取り戻したい」と話している。
万福さんが村に派遣されたのは、震災から1年後の2012年4月。農業土木の専門家として復興対策課に勤務し、働きぶりを見込んだ村の要請で1年ごとに派遣期間を延長してきた。
農地の除染技術の実証試験に取り組みながら、放射性物質や除染効果について村民に正しい知識を説明してきた。だが、受け止め方は人それぞれ。政府の職員として見られ、批判の矢面に立つこともあった。
環境省が村内に計画した除染廃棄物の焼却減容化施設の設置を巡っては、同省職員と共に住民への説明に当たった。廃棄物の焼却時に施設から出る煙への不安は大きく、避難先での住民集会に何度も足を運んだ。
心掛けたのは、住民側も言いたいことが言える少人数での説明だ。そのうち「万福さんが言うなら大丈夫」と言ってくれる住民も現れ、地元の同意を得ることができた。施設は16年1月に稼働。村外の一部の自治体で発生した廃棄物も受け入れている。
万福さんは九州の大学などでも学生らに福島の農業の状況などを説明している。「まだ事故の影響があるのですか」などと問われ、記憶の風化や誤解を感じることも増えてきた。
「福島は復興に向けてよちよち歩きを始めた段階。九州でも忘れないで、正しい知識で理解してほしい」。そう願わずにいられないという。
=2018/03/11付 西日本新聞朝刊=

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