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受刑者が目撃した松本死刑囚 二度と明かされないその心

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「ぐったりと壁に背をもたれ、 床に座っていた。 10秒以上見ていたと思うが、 全く身動きしなかった」 平岡秀夫元法相は2011年9月、 東京拘置所で監視カメラの モニター越しに松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の 姿…
「ぐったりと壁に背をもたれ、床に座っていた。10秒以上見ていたと思うが、全く身動きしなかった」
平岡秀夫元法相は2011年9月、東京拘置所で監視カメラのモニター越しに松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の姿を見た。
当時は法相に就任してすぐ。拘置所を視察に訪れた平岡氏が尋ねたわけでもなく、職員が「あそこにいますよ」と説明したという。
13年まで刑務官を補助する「衛生係」として東京拘置所で受刑した男性も、松本死刑囚を目撃した。「車いすに乗せられ、幹部の刑務官ら4、5人が取り囲んでいた。下を向いて全く動かず、生気はなかった」。掃除で入った松本死刑囚の部屋は一切私物がなく、床は便で汚れ、布団も小便でぬれていた。食事はご飯の上に、おかずやデザートをのせて出したという。
一審の途中から弁護団と意思疎通をせず、法廷でも意味のあることを語らなくなった松本死刑囚。最後に公の場に姿を現したのは04年2月、東京地裁で死刑判決を言い渡された時だ。それから14年以上、拘置所から出ていない。08年からは、家族や弁護人との面会にも応じていない。
平岡氏は見たときに「普通じゃない」と思ったという。ただ、控訴審で提出された証拠などによると、一審判決の夜には拘置所で「なぜなんだ。ちくしょう」と叫んだ。東京高裁も06年に訴訟能力があると判断し、「意思疎通ができず、裁判手続きを進められない」という弁護側の主張を退けた。
17年に東京拘置所が明らかにした様子では、運動や入浴などのために職員が手を引くと抵抗なく居室から出ていた。同年2月に診察した精神科医は「少なくとも明らかな精神的な障害は生じていないと思われる」と意見を述べている。法務省幹部は「意思疎通ができないというよりは、意思疎通することを選んでいない。殻に閉じこもっていたのだろう」と話す。
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