北大西洋条約機構(NATO)が11~12日に開いた首脳会議は、 安全保障を巡る米国と欧州の 同盟関係の 亀裂を改めて浮き彫りにした。 欧州に国防費の 負担増を求めるトランプ米大
【ブリュッセル=中村亮、森本学】北大西洋条約機構(NATO)が11~12日に開いた首脳会議は、安全保障を巡る米国と欧州の同盟関係の亀裂を改めて浮き彫りにした。欧州に国防費の負担増を求めるトランプ米大統領は、通商を安保に絡め、欧州側に強い不信感が残った。第2次世界大戦後に米欧が作り、西側として旧ソ連に勝利した経済・安保の枠組みは、「米国第一」を前に大きく揺らいでいる。
首脳会議に出席したNATOのストルテンベルグ事務総長(左)とトランプ米大統領(右)(11日、ブリュッセル)=AP
「我々は結束している」。首脳会議が11日に採択した共同宣言には米欧の同盟の堅固さをアピールする文言が並んだ。だが、12日の閉幕を待たずに宣言を採択する異例の措置に加え、時に敵意もむき出しにしたトランプ氏の言動は米欧の亀裂を強く印象づけた。
「実現可能ではない」。米メディアによると、米政府高官ですら、トランプ氏が求めた国防費「国内総生産(GDP)比4%」目標の実現性を否定した。政権内で議論したことはなく、トランプ氏の独断だったという。独仏などは提案をまともに取り合わず、NATOのストルテンベルグ事務総長が「まずは2%目標達成を」と引き取った。
トランプ氏はドイツがロシアからガスを大量輸入するパイプライン計画を批判したが、欧州側には狙いは米国産ガスの欧州への輸出拡大という「米国第一」主義と映る。同計画はエネルギーのロシア依存の低下を目指す欧州連合(EU)にとって、公然と触れられたくない弱点でもある。ポーランドなどが反対する同計画に焦点を当て、米が欧州分断を狙っているとの疑心暗鬼が広がる。
「米国は過度な国防費負担で欧州諸国に補助金を与え、貿易では欧州に大きく負けている」。12日にはツイッターでNATO国防費と米欧通商摩擦を直接結びつけて批判した。「おカネも重要だが、結束はもっと重要だ」(トゥスクEU大統領)。同盟国までも公然と敵視して国民の歓心を買うトランプ外交に、欧州は冷ややかな視線を向けている。

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