Home Japan Japan — in Japanese 消えるざわめき 88年の歩みに終止符

消えるざわめき 88年の歩みに終止符

206
0
SHARE

ありがとう、 さようなら--。 31日夜、 一部開業以来88年の 歩みに終止符を打ったJR三江線(江津(ごうつ)-三次(みよし)、 108.1キロ)。 江の 川に沿い、 山間部をぬうように島根県江津市と広島県三次市を結んだ。 同線の 駅や列車は別れを惜しむ住民や鉄道ファンでにぎわった。
ありがとう、さようなら--。31日夜、一部開業以来88年の歩みに終止符を打ったJR三江線(江津(ごうつ)-三次(みよし)、108.1キロ)。江の川に沿い、山間部をぬうように島根県江津市と広島県三次市を結んだ。同線の駅や列車は別れを惜しむ住民や鉄道ファンでにぎわった。
沿線の石見川越駅(江津市)近くに住む柳光(りゅうこう)ミサエさん(84)は孫を見送るため、午前中に江津駅を訪ねた。「三江線とは嫁に来て以来61年の付き合い。家の近くをガタゴトと走るのが時計代わりで、にぎやかだった。人が減り、空っぽで走るのをよく見かけたから廃線は仕方ないと思う」と語り、「今日は人がたくさんいるね」とホームを見つめてほほえんだ。
同日夕、江津駅前であった記念式典では、山下修江津市長が「私たちを支え続けてくれた三江線に心から感謝したい」とあいさつ。午後7時過ぎに江津駅を出発する下り最終列車を見送った同市内の小田原悠介さん(32)は「中学には三江線で通ったが、卒業後に実家を出て、乗らなくなってしまった。昨日と今朝、十数年ぶりに乗り、懐かしくなった。もっと乗っておけば良かった」と悔やんだ。
同線は1975年に全線開業。沿線人口の減少やマイカー普及による乗客減少に加え、豪雨でたびたび運休するなど災害にも悩まされた。87年の国鉄分割・民営化以降、本州で100キロを超える路線の全線廃止は初めて。【柴崎達矢、根岸愛実】

Continue reading...