北朝鮮の 国営メディアは、 キム・ ジョンウン（金正恩）朝鮮労働党委員長が、 バス事故で死亡した中国人観光客３２人の 遺体を乗せた…
北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン（金正恩）朝鮮労働党委員長が、バス事故で死亡した中国人観光客３２人の遺体を乗せた専用列車を見送るとともに、「責任を痛切に感じている」と述べて謝罪したと伝え、米韓両国との首脳会談を控えて、中国との関係改善を重視する北朝鮮の姿勢を反映した対応だと見られます。 北朝鮮では、今月２２日、首都ピョンヤンの南側に隣接するファンヘ（黄海）北道でバスが橋から転落し、乗っていた中国人観光客３２人が死亡、２人が大けがをしました。 ２６日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、中国人観光客の遺体を中国に運ぶため、キム・ジョンウン委員長が専用列車を編成し、２５日夜、ピョンヤン駅で見送ったことを写真とともに１面で伝えました。 写真では、キム委員長が、ひつぎを乗せた列車の前で、神妙な面持ちでピョンヤン駐在の中国大使に向き合う姿や、寝台席で横たわる大けがをした中国人の手を取る様子が写っています。 キム委員長は、被害者と遺族に謝罪の意を示したうえで「責任を痛切に感じている」と述べ、原因調査を徹底して再発防止に努める考えを強調したということです。 さらに、キム委員長は、中国大使に見舞金を手渡すとともに、習近平国家主席に宛てて「中国の同志たちにいかなる慰労や補償でも取り返しのつかない痛みを与えたことを深く謝罪する」としたメッセージを託したとしています。 国営メディアがキム委員長の謝罪の言葉を伝えるのは異例で、２７日の南北首脳会談や、その後に開かれる見通しの米朝首脳会談を控えて、中国との関係改善を重視する北朝鮮の姿勢を反映した対応だと見られます。
