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強いドル「長期的に重要」 次期財務長官、トランプ発言火消し :日本経済新聞

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NewsHub【ワシントン=河浪武史】次期米財務長官に指名された米ゴールドマン・サックス元幹部のスティーブン・ムニューチン氏は19日、上院委員会の承認公聴会で「ドルは世界で最も魅力的な通貨として取引されてきた。長期的には『強いドル』が重要だ」と主張した。トランプ次期大統領が「ドルは強すぎる」と言及して市場に動揺が広がっており、ムニューチン氏は早々に火消しに動いた。
トランプ氏は米紙のインタビューで、中国の人民元政策を批判しつつ「我々の通貨(ドル)は強すぎる。米企業は彼ら(中国勢)と競争できない」と述べ、通貨安誘導に動く可能性も示唆した。ムニューチン氏は19日の公聴会で「トランプ氏の発言は短期的な動きに向けられたものだ」と反論。長期的には米歴代政権が主張してきた「強いドル」が重要だと述べた。
ドル相場は大統領選後に急伸し、直近の底値だった2014年と比べると25%も高い水準にある。20カ国・地域(G20)など主要国は通貨安競争の回避で合意しており、トランプ氏の発言は国際合意を踏み越える異例の口先介入とされた。ドル相場は同氏の発言で下落に転じ、世界的な市場の動揺を招いた。
ただ、各国通貨当局は急激な為替変動を招く投機的な動きをけん制することは国際的に認められている。ムニューチン氏はトランプ氏の発言を「短期的なもの」と位置づけることで市場の懸念を払拭する狙いがある。ムニューチン氏は公聴会で「短期的にみてドルは強すぎるか」とも問われたが「次期財務長官に指名された身としてコメントするのは適切ではない」と述べた。

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