岐阜県美濃加茂市の出直し市長選で29日、前職の藤井浩人氏(32)が再選された。逆転有罪判決を受け、選挙で「判決の不当性」を訴えた藤井氏は求心力維持を図るが、刑事被告人としての立場は変わらない。任期も辞職前と変わらず、5月に実施される任期満了に伴う市長選では、対立候補擁立の動きもある。 「もう一回、藤井しっかりやれと言われ、まずはうれしい」。当選が確実になった29日夜、藤井氏は事務所で支援者らに拍手で迎えられた後、笑顔を見せた。 出直し選で各党は準備期間不足などを理由に静観を決めた。一方で藤井氏が再選すれば5月には再び市長選となるため、有権者には出直し選への否定的な意見も目立った。こうした声を意識してか、藤井氏は27日の総決起大会で「批判は今日もいただいた。今回の決断が必要であったと言ってもらえるような市づくりを進めたい」と語っていたが、29日には「政治家として多くの人に理解をいただいた」と強調した。 投票率は、過去最低だった前回(52・86%)を上回り、陣営が目標に掲げた55%も超した。藤井氏は「信任をいただいたので、胸を張って市長職を全うしていきたい」と述べた。 藤井氏は、仮に市長在職中に受託収賄などの有罪が確定すれば失職し、それに伴う市長選には立候補できない。最高裁の結論は5月の市長選後、4年以内には出るとみられる。仮に5月に3選を決めても、いつ最高裁の判断が出るかわからない不安定な条件での市政運営を迫られることになる。藤井氏は「裁判は裁判で公正な判断を出してほしい。市政は市政で全力で務めていく」と話した。 5月に予定される市長選で対立…
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