【ロンドン＝岡部伸】英国のメイ首相は２日、欧州連合（ＥＵ）からの離脱に向けた政府方針を示した白書を議会に提出した。メイ氏が先月１７日に行ったＥＵ離脱交渉の戦略や目標に関する演説を踏まえた内容だ。 一方、英下院は１日、ＥＵ離脱を通知する権限をメイ氏に与える法案を審議する第２読会を開き、賛成４９８、反対１１４で可決した。８日にも最終的な採決を行う見通し。下院は与党保守党が過半数を占め、法案の下院通過は確実な情勢だ。下院通過後は上院に送られる。 英タイムズ紙によると、政府は３月７日までに、上院での審議を終えて法案を成立させ、ＥＵ首脳会議が開かれる３月９日に離脱を正式通知する方針という。英議会で否決の可能性は低いが、修正提案が出れば審議に時間がかかり、通告のタイミングは見直しを余儀なくされる。 ＥＵは３月２５日に非公式首脳会合を予定しているが、前身の欧州経済共同体（ＥＥＣ）設立調印６０周年にあたり、「離脱通告してＥＵ側の神経を逆なですべきではない」との指摘もある。
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