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再生医療の普及へ大きな一歩 他人のiPS移植

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NewsHub他人のiPS細胞を使う新たな臨床研究は、再生医療の本格的な普及に向けて大きな一歩となる。iPS細胞は山中伸弥京都大教授が平成18年に発見してからわずか10年で、実用化を目指す研究が山場を迎える。 iPS細胞は受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)と違って患者自身の皮膚などから作れるため、拒絶反応を回避できる利点がある。だが作製に手間がかかり、理研チームによる最初の移植は準備に11カ月、費用は約1億円に上った。これでは普及は難しい。 解決の切り札として山中教授が力を入れてきたのが他人のiPS細胞の備蓄だ。健康なボランティアの協力を得て、拒絶反応が起きにくい免疫型を持つiPS細胞を蓄えておき、研究機関に低コストで迅速に提供するもので、32年度末までに国民の8割の免疫型をカバーする態勢を目指している。 患者自身の細胞を使う理研の研究では、2人目の患者の細胞に遺伝子変異が見つかり、がん化のリスクを考慮して移植が中止された。備蓄細胞は、あらかじめ検査して安全な細胞だけを使える利点もある。 ただ、この備蓄事業で京大は先週、細胞作製に使う試薬を取り違えた可能性があると発表。提供を一部停止した。今回了承された網膜の臨床研究には影響しないが、輸血用の血小板を作る京大と、角膜を作る大阪大の研究に遅れが生じるという。備蓄事業は実用化の鍵を握るだけに、再発防止の徹底が求められる。

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