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「おたく取る?」農水省OB結託か 復興事業の談合疑惑

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農林水産省東北農政局発注の 震災復興事業などで談合が繰り返されていた疑いがあるとして、 公正取引委員会が立ち入り検査に踏み切った。 受注各社に天下りした農水省OBが談合に関与した疑いがあるという。 あるゼネ…
農林水産省東北農政局発注の震災復興事業などで談合が繰り返されていた疑いがあるとして、公正取引委員会が立ち入り検査に踏み切った。受注各社に天下りした農水省OBが談合に関与した疑いがあるという。あるゼネコン幹部は「OB同士は固い絆で結ばれている。そのネットワークで連絡を取り合っている」と口にする。
仙台市中心部。東北農政局から北に200メートルのビルの一室にも4日、公取委の担当者が立ち入った。郵便受けには「東北土地改良建設協会・北杜会」とある。
関係者によると、同協会はゼネコン各社が加盟する業界団体で、北杜会は東北農政局のOBたち約200人の親睦団体。同協会のなかに北杜会が間借りしている形で、北杜会のスペースにはテレビと囲碁が置かれ、日中は複数のOBが集っているという。
「かつて農政局発注工事の希望を伝えるため、うちに天下っているOBと一緒に北杜会に行ったことがある」。ゼネコン東北支店幹部が明かした。
この幹部らによると、震災前の2008年ごろまでは天下りOBらが中心となった調整会議が開かれていたが、震災後は携帯電話などで連絡をとり、「おたくはあそこ取る?」「うちはいきたい」といったやりとりを交わしているとされる。中心的な役割を担う数社の天下りOBが仙台市内で会合を開く程度で、調整行為は以前より見えにくくなっているという。
ただ、その結束は固いとされ、天下りOBを受け入れていない建設会社の役員はこう語る。「OBがいる会社が受注するような比較的規模が大きい工事には入れない。やろうとしてもOBの調整ではじき出される」。別の会社幹部は「OB同士、外部に秘密がもれないようにしている。何かあれば、たちどころに連絡がまわる」と話した。
農政局側からの情報収集も、天下りOBの重要な仕事だという。農水省発注事業を全国で請け負っている会社の幹部が説明する。「今後発注される工事の概要に加え、どのような技術的な問題が生じうるかを農政局の後輩職員から得る。これはOBがいないと出来ない仕事だ」
朝日新聞の取材に、東北土地改良建設協会は「特にコメントはありません」、北杜会は「なぜ談合の疑いが持たれるのかわからない」とそれぞれ回答した。(矢島大輔、木原貴之)

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