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認知症:「おかえりシール」で徘徊対策 奈良・明日香村

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認知症の 人が徘徊(はいかい)して身元不明になるの を防ごうと、 人口約5700人の 3分の 1以上が65歳以上の 奈良県明日香村が新たな取り組みを始めた。 ばんそうこうの 素材に、 個人情報が分かる二次元コードを印刷した「おかえりシール」 を必要な村民に支給し、 貼ってもらう試みだ。
認知症の人が徘徊(はいかい)して身元不明になるのを防ごうと、人口約5700人の3分の1以上が65歳以上の奈良県明日香村が新たな取り組みを始めた。ばんそうこうの素材に、個人情報が分かる二次元コードを印刷した「おかえりシール」を必要な村民に支給し、貼ってもらう試みだ。
シールは、ケアマネジャーとして15年近い経験がある「実生イーライフ」(同県橿原市)の小林孝博さん(49)が2015年に開発した。
装着感が気にならないよう、体に直接付けられる素材として水に強いばんそうこうを採用。二次元コードには、インターネットを介して本人の名前のほか、家族やケアマネジャーらの連絡先を登録。第三者がスマートフォンなどで読み込めば、登録情報を見ることができる。
シールには、お年寄りを捜していることを示すイラストや「よんで下さい」の文字などが書かれており、手の甲やうなじなどのほか、衣類や持ち物に貼ることも想定している。小林さんは「高齢者がどこへ出掛けても、誰かがシールを見て連絡してくれ、おかえりと迎えられる社会になれば」と願う。
シールは1枚で1週間程度使え、50枚入りの1セットの価格は税別3500円。村は、高価で破損の恐れがある電子機器などよりも、安くて気軽に使える点に注目して自治体としては初めて導入を決めた。民生委員らを通じて必要に応じ無料で提供する。
村健康づくり課の吉川公二課長は「認知症の人が出先で負傷し、身元が分からずに救急搬送に時間がかかるケースもあり、そうした不安を軽減する効果も期待できる」と話し、警察や救急などにもシールの存在を周知して見守り態勢を整えたいとしている。【矢追健介】

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