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「布田川断層帯」を答申 天然記念物に九州2件 文化審

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国の 文化審議会は17日、 熊本地震で現れた「布田川(ふたがわ)断層帯」 (熊本県益城町)と「日向岬の 柱状節理」 (宮崎県…
国の文化審議会は17日、熊本地震で現れた「布田川(ふたがわ)断層帯」(熊本県益城町)と「日向岬の柱状節理」(宮崎県日向市)の2件を天然記念物に指定するよう林芳正文部科学相に答申した。近く答申通り告示される。
布田川断層帯は、最大震度7を観測した2016年の熊本地震の震源断層。地震によりほぼ連続的に長さ約31キロにわたって露出し、最大約2・5メートルのずれが確認された。活断層が天然記念物となるのは国内10カ所目、九州では水縄(みのう)断層(福岡県久留米市)に次いで2カ所目で「地震の被害を将来に伝える災害遺構としても貴重」と評価された。
日向岬の柱状節理は、約1500万年前の火砕流により形成された火山活動の痕跡。高さ約50メートルの断崖などを含み「現在よりも火山前線が海溝側に位置していたことを示す標本」という。
また、昭和初期に整備された豪商の住宅庭園「平田氏庭園」(福岡県小郡市)について「九州地方の造園文化の発展に寄与した意義深い事例」として登録記念物に新登録するよう求めた。
このほか、愛知県犬山市の「犬山城跡」など史跡10件、名勝2件が新たに指定される。
また、柴又帝釈天(題経寺)と門前町などが東京都で初めて重要文化的景観に選定された。

「自然の怖さ学ぶ地に」 地元の田上さん、断層残す意向
熊本県益城町にある田上勝志さん(51)の麦畑は、熊本地震の震源となった布田川断層帯の真上。約2・5メートルもクランク状に横ずれした畑で耕作を続けている。「見に来る人や後世の人たちが、自然の恐ろしさを学ぶきっかけになればいい」。作業効率は悪くなったが、断層をそのまま保存するつもりだという。
昨秋、断層が現れた農地の地権者たちに町から天然記念物として残したいとの話があった。「後世のため保存した方がいい。ただ田んぼで作物は作る。みんな同じ意見だった」。田上さんは、3月に発足した「堂園地区まちづくり協議会」の会長になり、断層や地震被害を住民が見て回る催しを実施するなど、地域の再生を目指している。
6月、地震後2度目の麦の収穫をした。農地の形状がいびつになり農機が入れられなかった箇所は鎌で刈り取った。「あえて断層を残し減災につなげたい」。11月下旬、また麦の種まきを始める。
=2017/11/18付 西日本新聞朝刊=
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