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「退くのが役目」 美濃加茂市長、上告棄却で辞職表明

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受託収賄罪などに問われ、 最高裁への 上告が棄却された岐阜県美濃加茂市の 藤井浩人市長は13日夜、 市内で記者会見し、 「市政を停滞、 混乱させないよう、 退くことが私の 最後の 役目」 と述べ、 14日付で辞職する考え
受託収賄罪などに問われ、最高裁への上告が棄却された岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長は13日夜、市内で記者会見し、「市政を停滞、混乱させないよう、退くことが私の最後の役目」と述べ、14日付で辞職する考えを明らかにした。事件について「一切の無実。現金の授受はなく、これは冤罪(えんざい)だ」と改めて訴え、最高裁に異議を申し立てる意向を示した。 記者会見で頭を下げる藤井浩人市長(13日、岐阜県美濃加茂市) 美濃加茂市長巡る経緯 藤井市長は約30分の会見中、最高裁の通知書を手にしながら終始厳しい表情で話した。「必ず真実を明らかにしなければならない」と強調、異議申し立てが認められなければ再審請求を検討するとした。 今後について「一市民として、美濃加茂のために努力したい」と話した藤井市長。有罪が確定すれば、3年間の執行猶予期間中は立候補できない。「市長に戻れるなら戻りたいが、どういう立場から恩返しできるか、3年間を含めて考えたい」と述べた。 ●驚きと戸惑い 市民・職員ら 美濃加茂市では13日、市民や職員に驚きや戸惑いが広がった。 無職女性(80)は「若い市長だったが、福祉などの政策を進めてくれた。無罪を信じていたので『なぜ』という気持ち」。無職男性(67)からは「1月に出直し市長選があったばかり。また市長選が必要で、納得できない思い」と不満の声が聞かれた。 市の男性職員は「現職市長の有罪判決を受けて辞職するなんて。市民にどう説明したらいいのか……」と言葉少な。ある男性市議は「来年度の予算編成が控える中、市長不在となれば影響は大きい。停滞しないようにしたい」と述べた。 「これからも心の通った美濃加茂市にしてほしい」。13日夕、藤井浩人市長が市庁舎の館内放送であいさつすると、涙を拭う職員もいた。 ●被害者は市民、再発防止策を 名城大学都市情報学部の昇秀樹教授(地方自治論)の話 市長不在の期間が生まれ、市政が停滞する可能性がある。一番の被害者は市民だ。ただ初当選させ、出直し市長選でも藤井浩人市長を選んだのは市民で、責任の一端は市民にもある。これを機に業者の依頼で政治家が口利きすることを禁止する条例を制定するなど、同じ事態が起きないよう再発防止策を講じるべきだ。

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