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【経労委報告】 官製春闘5年目 経団連もデフレ脱却に本腰 消費が拡大しないリスクも

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政府が企業に対し、 賃上げを促す「官製春闘」 は今年で5年目。 官製春闘自体が異例だが、 今年は安倍晋三首相が「3%」 と具体的な賃上げ水準を要請し、 経団連もこの 数値を経…
政府が企業に対し、賃上げを促す「官製春闘」は今年で5年目。官製春闘自体が異例だが、今年は安倍晋三首相が「3%」と具体的な賃上げ水準を要請し、経団連もこの数値を経労委報告に盛り込むなど、“異例中の異例”の春闘になろうとしている。
経団連が今回、具体的な賃上げ水準にまで言及したのは、長年、日本経済の重しとなっていたデフレ脱却が果たせる「極めて重要な時期」(経団連の榊原定征会長)とみているからだ。過去4年間よりも大幅な賃上げで、個人の消費意欲を喚起し、経済の好循環につなげることを強く意識している。
上場企業の収益は平成30年3月期に過去最高を更新する見通しで、既に3%の賃上げを口にする企業トップも出ている。サントリーホールディングスの新浪剛史社長は30年度に年収ベースで3%の賃上げを目指す方針を表明。大和証券グループ本社の中田誠司社長は「月収と一時金の組み合わせで、平均で3%超。20~30代には5%ぐらいの水準を検討」と話す。
3%にまで言及しなくとも花王の沢田道隆社長が「処遇改善は続ける」と語るように、賃上げ方針を示すトップは例年より多い。
ただ、賃上げが実施されても、将来不安が根強い中では、消費拡大につながらないリスクもある。そのため経団連は経労委報告で、政府に年金などの社会保障制度の持続に向けた抜本改革も求めた。企業側から投げ返された課題に政府がどう向き合うかが問われそうだ。(平尾孝)

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