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「ミラクル起こさないと」落下の内村航平、29歳の現実

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(27日 体操・ 全日本個人総合選手権予選) 最初の 鉄棒から、 体があまり切れていなかった。 「予選ということで、 どこでギアを入れたらいいの か分からずに入ってしまった」 と内村航平は振り返る。 そして3種目めの …
(27日 体操・全日本個人総合選手権予選)
最初の鉄棒から、体があまり切れていなかった。「予選ということで、どこでギアを入れたらいいのか分からずに入ってしまった」と内村航平は振り返る。そして3種目めのあん馬に落とし穴が待っていた。
腕で体を支え、馬体の端から端まで転回しながら移動する「ウ・グォニアン」で落下した。2008年北京五輪の時から入れている技で、「この10年間、試合で一度も落ちた記憶がない。ショックだった」。これまでと同じ練習をしてきて、「調子自体は決して悪くない」と臨んだ本番で出た大過失。そこに、肉体の衰えと戦う29歳の内村の現実があった。
7連覇をかけた昨秋の世界選手権は、跳馬の着地で左足首を痛めて途中棄権。国内大会ではまだ連勝記録が続くが、本人の視線はもうそこにはない。「健三との1・001点差を逆転するのは、リオ五輪でオレグ(ベルニャエフ)に勝ったとき以上のミラクルを起こさないと無理」
思い描くのは、また世界選手権で演技する自分の姿だ。今大会の予選と決勝、そして5月の最終選考会の計3日間の合計得点で2位までに入れば、無条件でその権利を手にできる。表情を引き締め、「決勝はもう一踏ん張りする。世界に出て戦わないといけないんで」と言った。( 平井隆介 )

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