Home Japan Japan — in Japanese 融和への一歩 相互に境界線を越え

融和への一歩 相互に境界線を越え

338
0
SHARE

【ソウル渋江千春】 北朝鮮の 金正恩(キム・ ジョンウン)朝鮮労働党委員長は南北分断の 象徴である板門店(パン・ ムンジョム)の 軍事境界線を挟んで、 出迎えた韓国の 文在寅(ムン・ ジェイン)大統領と笑顔で握手、 歩を進めて境界線をまたぎ、 韓国側に入った。 北朝鮮が韓国、 そして世界との 対立から協調へ踏み出す最初の 一歩
【ソウル渋江千春】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は南北分断の象徴である板門店(パン・ムンジョム)の軍事境界線を挟んで、出迎えた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と笑顔で握手、歩を進めて境界線をまたぎ、韓国側に入った。北朝鮮が韓国、そして世界との対立から協調へ踏み出す最初の一歩となるのか。韓国に初めて足を踏み入れた北朝鮮の最高指導者の一挙手一投足に世界が注目した。
金委員長に先立ち、韓国側が板門店に到着。文大統領や韓国政府幹部らの首元には統一旗の色である青のネクタイが見え、会談成功への強い意欲が表れていた。
午前9時28分、板門店の北朝鮮側施設「板門閣」の玄関から、黒い人民服姿の金委員長が大勢の警護要員らに囲まれて姿を現した。当初は硬い表情だった金委員長は、軍事休戦委員会の会議場の間の狭い通路を進みながら笑顔を見せ、軍事境界線を挟んで出迎える文大統領と向かい合い、握手をしながら初めての会話を交わした。その後、金委員長が韓国側に入ったが、金委員長に促された文氏が境界線を越えて北朝鮮側の土を踏む「サプライズ」もあった。
会談会場に向かい肩を並べて歩く2人の脇には、南北融和モードが決定的になった平昌(ピョンチャン)五輪で特使を務めた妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長ら北朝鮮の最高幹部が付き従う。これらの動きは、北朝鮮側である板門閣からの取材を許された板門店映像取材団のカメラを通じて、全世界に生中継された。
その後、2人は韓国側の「平和の家」に入り、会談に臨んだ。会談の冒頭、「胸襟を開いて話し合いましょう」と文氏に語りかけた金委員長は、会談後の夕食会用に平壌の名物である冷麺を持参したことにも触れ、「遠くから運んできた冷麺を召し上がってください」と文氏に語りかけた。文氏は「我々の対面を祝福するように天気が晴れた」と応じ、2人は和やかな雰囲気を演出した。
事前に「非核化の意思」を示して、自ら韓国に出向く北朝鮮の若き指導者の姿に、「今までとは違う」(政府関係者)との期待が高まる。トランプ米大統領との米朝首脳会談を約1カ月後に控え、南北融和のアピールを狙う両首脳の会談が始まった。

Continue reading...