カナダで開催され、 9日閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、 参加した首脳らが合意文書を発表できるかを明言できない異例の 状況で始まった。 2日間の 期間中、 首脳らが深夜や朝に集まるなど、 合意文書は…
カナダで開催され、9日閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、参加した首脳らが合意文書を発表できるかを明言できない異例の状況で始まった。2日間の期間中、首脳らが深夜や朝に集まるなど、合意文書は異例ずくめの経緯でまとめられた。
議長国カナダのトルドー首相は8日、G7として毎回恒例の合意文書を出せるかを会見で聞かれ、「さてどうなることでしょう」と発言。合意文書がまとまるか、見通せない状況を明らかにした。
日本政府によると、初日の8日深夜に約40分、首脳らが集まり、合意文書のとりまとめを念頭に貿易問題やイランへの対応、ロシアのサミット再加入など、米国が欧州連合(EU)やカナダと対立した論点についてさらに意見を交わした。
その後、2日目の9日早朝まで、文書に盛り込む文言などを事務方で調整。同日午前の行事の合間にも、急きょ40分ほど、首脳だけの会合を開いた。この会合で安倍晋三首相は貿易問題について「自由で公正な貿易システムをG7がまとまって表明すべきだ」と各首脳を説得したという。
安倍首相はサミット終了後の記者会見で「かなり遅い時間や次の日の朝に、首脳だけで、ひざ詰めで議論や交渉をすることはこれまでなかった」と振り返った。また、焦点だった貿易問題で「自由で公正なルールを進化させて課題を解決することを強調し、すべての国から理解を得ることができた」と話し、自身が文書のとりまとめに一定の役割を果たしたと強調した。(ケベックシティー〈カナダ東部〉=久保智)