9月の 自民党総裁選への 不出馬を表明した岸田文雄政調会長は、 悩みに悩んだ末に安倍晋三首相(党総裁)支持を決めた。 岸田氏は自身が率いる岸田派(宏池会、 48人)で、 首…
9月の自民党総裁選への不出馬を表明した岸田文雄政調会長は、悩みに悩んだ末に安倍晋三首相(党総裁)支持を決めた。岸田氏は自身が率いる岸田派(宏池会、48人)で、首相支持に回り3年後に首相からの「禅譲」を狙うべきだという意見と、9月の総裁選に出馬を促す「主戦論」が交錯する中、所属議員の意見を丁寧に聞いてきた。しかし、早期に支持を得たかった首相の不信感が最高潮に達した後では岸田氏が得るものは乏しく、遅きに失した判断となった。
「私はどうしたらいいのでしょうか」
6月18日夜、首相と2人だけで会食した岸田氏は冒頭、こう語り、首相をあきれさせた。初当選同期で、第2次安倍政権では外相を4年7カ月も務めた岸田氏に対する首相の信頼はもともと厚い。首相は昨年8月の内閣改造・党役員人事で岸田氏の外相続投を検討していたが、岸田氏の意向を尊重し、党政調会長への起用を決めた。
だが、総裁選をめぐる岸田氏の対応は首相の期待を裏切る形となった。森友、加計学園問題で内閣支持率が低下する中、細田派(清和政策研究会、94人)や麻生派(志公会、59人)、二階派(志帥会、44人)は次々と首相支持に傾いた。一方、第4派閥の岸田派は沈黙を貫いた。
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