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首相、地方回り加速 石破氏意識、党員票に狙い

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安倍晋三首相が国会閉会に先立ち、 9月の 党総裁選を見据えた地方行脚を加速させている。 4日は、 さいたま市の ホテルで開かれた自民党埼玉県連の 「タウンミーティング」 に出席した。 地方回りの 背景には、 2012年総裁選で石破茂元幹事長に大敗した「党員票」 固めの 思惑がある。
安倍晋三首相が国会閉会に先立ち、9月の党総裁選を見据えた地方行脚を加速させている。4日は、さいたま市のホテルで開かれた自民党埼玉県連の「タウンミーティング」に出席した。地方回りの背景には、2012年総裁選で石破茂元幹事長に大敗した「党員票」固めの思惑がある。
埼玉県連の会合で首相は地方議員や党員約350人とともに、地元のサッカーJ1浦和レッズにちなんだ「レッズカレー」をほおばった。埼玉県産の梨を使っており、首相はあいさつで「負け『なし』カレーだ。これを食べれば負けない。こんな気持ちになった」と語って総裁3選への意欲をにじませた。また、「埼玉の食材が入ったカレーを多くの方に味わってもらいたい」と持ち上げた。
12年総裁選では300票の党員票のうち石破氏165票、首相87票の結果だったが、国会議員による決選投票で首相が逆転した。今回の党員票は国会議員票と同数の405票に増える。国会議員票は「安倍1強」とされるが、森友・加計問題や長期政権への飽きも指摘される中、総裁3選後の求心力確保のためにも、党員票での圧勝が首相には望ましい。
首相の訪問先は12年の結果も意識しているようだ。埼玉は8票中5票が石破氏、首相は2票だった。県連関係者は「会合は首相側から打診があった。12年を意識したのだろう」と話す。4月に訪れた大阪府は、首相と石破氏が9票中4対4で競り、5月の北海道は地元の故町村信孝氏が4票でトップで、石破氏3票、首相2票と続いた。6月の滋賀は5票中3票が石破氏、首相は1票だった。
訪問先では日中は首相としての視察など公務をこなし、夕方から「総裁」として党会合に出席。大阪では、府連と対立する日本維新の会が掲げる「大阪都構想」への反対を表明。北海道には中国・李克強首相に同行する形で訪問し、党会合で「北海道のコメを中国に輸出する段取りを付けた」とアピールするなど、「ご当地サービス」に腐心する。
首相は今月22日の国会閉会後の総裁選立候補表明を想定するが、その前に鹿児島(7日)、宮崎(8日)、兵庫(21日)の県連会合に出席の予定だ。3県の12年の党員票は石破氏3~4票、首相1~2票だった。女房役の菅義偉官房長官も、官房長官としては異例の地方行脚を重ねる。5月に栃木、今月1日に秋田を訪れ、8日は和歌山県連の会合への出席を調整中だ。【古川宗】
「ポスト安倍」候補の地方回りも活発だ。
総裁選出馬が確実視される石破茂元幹事長は2016年の内閣改造で入閣を固辞してからは、政府や党の役職から離れた「無役」である立場を生かし、メディアへの露出を増やし、地方行脚を活発化している。細田、麻生、二階の主流3派が支持する安倍首相に国会議員票で後れをとるため、地方票の確保を重視。6月30日に青森で講演し、今月7日には新潟での会合に出席するなどしている。
岸田文雄政調会長は、岸田派所属議員の地元を中心に各地を訪れる。出馬には派内で賛否両論があり、4日の記者会見では「主戦論と慎重意見がある。最後は私自身が状況を勘案して決定したい」と述べるにとどめた。今後は岐阜、福井、静岡などに入る。
野田聖子総務相は公務の合間に、党の地方組織からの招きに応じて会合に出席する形が多い。22日の国会閉会後に動きを加速させる構えだ。【小田中大】

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