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東京医科大の“男女差別“入試で医師の働く環境に言及 宋美玄さん「完全にマタハラ」

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「たくさんの 女性が、 子供を産んでもずっと働きたいと思ってる」
東京医科大が、入試で女子受験生に対して一律に減点していたことを読売新聞などが報じ、物議を 醸している 。
そんな中、産婦人科医の宋美玄(そんみひょん)さんは8月3日、フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」に出演し、「たくさんの女性(医師)が、子供を産んでもずっと働きたいと思ってる」「男の医者は育児を負担させて、自分は好き勝手働いている」と、医療業界における働き方の問題点を指摘した。
宋さんは、「東京医科大学に限らず、ほとんどの大学は関連病院とか系列病院を持っている。そこに人材を送るというのは(医科大の)ひとつの役割」として、以下のようにコメントした。
「医学部というのはすごく特殊で、医学部の定員というのは、将来の医者の数そのままなんです。どうせそのうち辞めるから、生涯に働く総労働量と考えると、男子にたくさん受かってほしいという本音がある」
「その気持ちは分かるんですけれども、でも結局、女子がなんで辞めていくかというと、別にやる気がないのに最初から腰掛けで受けているんじゃないんですよ。たくさんの女性が辞めていくわけじゃないんですよ」
続けて、宋さんは、多くの女医が出産や育児のタイミングで辞めざるを得ない現状を告白した。
「たくさんの女性が、子供を産んでもずっと働きたいと思ってるんですけど、どこの業界もそうですけど、働きながら産み育てる。キャリアと生殖年齢も被ってる。そこを全くケアしてこなかったんですよ。医療業界は。何十年も他の業界から遅れていて、産休育休制度も全然整ってないですし、育休中に解雇されたりする」
「往々にして、女性医師の夫は男性医師のことが多いんですけど、うちの夫もそうですけど、男の医者は全然自分の働き方を変えずに、女性の方に、女性が医者であろうとなかろうと、育児を負担させて、自分は好き勝手働いている。で、女って辞めるよねって言ってるわけですよ」
番組では、7年間病院に勤務した女性医師が、産後2カ月で「復帰できるか」と聞かれ、「無理です」と断ったら解雇された事例を紹介。
これを受けて、宋さんは女性医師の受けたマタハラにも言及。医療業界は「(労働環境を)全くケアしてこなかった」と指摘した。
「他の業界では完全にマタハラなんですけど、特殊な事例じゃなくて、私の友達のバリバリ働いている女性の産婦人科だけを見ても、何人も育休中に、保育園が見つからないとか病院側の事情で、『もっと働けそうなスタッフ入れるから君、解雇』って言われたこともあります」
「女性医師は、10年とか5年とか研修期間に子供を産むこともありえるかもしれないけど、実際に臨床現場に行って同等の時間を働いていたら、女性の方が劣っているということはありえない」
宋さんは番組出演後、Twitterでも「女性が働きやすい環境を作ることを怠り、こっそり男女比をいじっていることを支持したり女性に退場せよと言うのはおかしい」とツイートした。
医療現場では人手不足と過重労働が問題になっていて、医学部の定員は限られているためいろんな意見があるのは分かる。けれど、やる気のある女性が続けられない現状がありながら女性が働きやすい環境を作ることを怠り、こっそり男女比をいじっていることを支持したり女性に退場せよと言うのはおかしい。
— 宋美玄 (@mihyonsong) 2018年8月3日
東京医科大の入試での点数操作は、女性の入学人数を3割程度に抑えるためで、2010年前後に始まっていたとされる。女子学生の減点のほか、一部の男子受験生に加点することもあったという。
同大によると、2018年度は、医学部医学科入学者120人のうち、女性は23人。受験したのは男子1596人、女子1018人で、筆記がある1次試験の合格率は男子が18.9%、女子が14.5%となった。
面接などの2次試験を経て最終的に合格したのは男子が8.8%、女子が2.9%だった。

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