台風21号の 影響で閉鎖された関西空港を運営する関西エアポートは5日、 空港に孤立した旅行客や職員が8000人に上る可能性があることを明らかにした。 午後9時段階で約6600人が救助されたが、 少なくとも約1000人がまだ取り【社会】
台風21号の影響で閉鎖された関西空港を運営する関西エアポートは5日、空港に孤立した旅行客や職員が8000人に上る可能性があることを明らかにした。午後9時段階で約6600人が救助されたが、少なくとも約1000人がまだ取り残されており、5日中の完了は難しいという。
関西エアポートの幹部は5日夜、記者会見。取り残された利用客について、これまで約3000人と説明してきたが、幹部は、空港職員などを含めると最大で8000人に上る見通しを示した。
救助は5日朝、神戸空港と結ぶ高速船と、連絡橋を通るリムジンバスで始まった。輸送は夜遅くまで続けるが、全員の救出は困難で、一部の人は被害2日目の夜も空港内にとどまるという。
一方、空港にある2本の滑走路のうち、被害が小さかったB滑走路を使って暫定的に空港を再開する方針も明らかにした。▽空港と対岸を結ぶ連絡橋の復旧▽航空機への給油装置の復旧▽第2ターミナルビルの下水設備の回復――の3点を条件として挙げたが、再開時期は明言しなかった。
同社によると、関西空港では、高潮で海水が流れ込み、1期島のA滑走路や駐機場のほぼ全域が最大約50センチ冠水。第1ターミナルビル地下の機械室なども浸水し、一部で停電が続いている。防災センターも水没したほか、連絡橋もタンカーの衝突で破損し、下り線が使えなくなった。同社は復旧工事を急いでいるが、機材の搬入などに時間がかかるとみられる。
一方、空港の通信環境も不安定な状況が続いている。通信各社によると、空港の基地局が停電で停止し、連絡橋を通っていた回線もタンカーの衝突で損傷。 NTT西日本の全約790回線が利用できなくなった。
また、国土交通省関西空港事務所によると、管制塔に被害はなかったが、無線施設の一部が浸水のため使用できなくなっている。
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台風21号は5日午前9時、北海道北西の間宮海峡で温帯低気圧に変わり、同日は本州から九州にかけて「台風一過」の晴天が広がった。
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読売新聞のまとめでは、5日午後5時現在、台風21号による死者は11人(大阪府8人、滋賀県1人、三重県1人、愛知県1人)で、負傷者は29都道府県の548人に上っている。住宅損壊は、29都道府県で全半壊41棟を含む1642棟。