Home Japan Japan — in Japanese サウジ、皇太子の責任回避図る 記者死亡発表、打撃限定の狙いか

サウジ、皇太子の責任回避図る 記者死亡発表、打撃限定の狙いか

273
0
SHARE

サウジアラビアが国営メディアを通じ、 記者の ジャマル・ カショギ氏がトルコにある総領事館で死亡したことを初めて認めた。 「意図せざる不幸な事故」 として早期に幕を引き、 事実上の 最高権力者
【ドバイ=岐部秀光】サウジアラビアが国営メディアを通じ、記者のジャマル・カショギ氏がトルコにある総領事館で死亡したことを初めて認めた。「意図せざる不幸な事故」として早期に幕を引き、事実上の最高権力者であるムハンマド皇太子に責任追及がおよぶのを避ける狙いがあるとみられる。しかし、事件発覚後の対応への批判は止まらず、サウジと親密な米トランプ政権にも深刻な打撃となりそうだ。 立ち入り禁止になったサウジアラビア総領事館につながる道(19日、イスタンブール)=AP サウジは20日、ムハンマド皇太子の側近で情報機関ナンバー2のアフメド・アシリ少将、皇太子顧問だったサウド・カハタニ氏の解任を発表した。積み上がる殺害の証拠を前に総領事館で死亡した事実は認めざるをえず、責任追及の範囲を情報機関幹部らに限定したい思惑があるようだ。 事件を受けて新設された情報機関再編のための委員会のトップに国王が起用したのは、ほかならぬ皇太子だ。国王が皇太子を解任する可能性はきわめて小さいとみられる。 サウジ政府を批判してきたカショギ氏に関し、総領事館内の口論が発展して死亡したというサウジ側の説明は、トルコ捜査当局が同国メディアに流した情報と大きな隔たりがある。事件の直前にプライベートジェットでトルコに入国した15人のサウジ人の動向や、カショギ氏の遺体がどこにあるのかといったナゾが残されたままだ。 絶大な権力を握る皇太子が事件について一切知らされていなかったという説明を国際社会が受け入れるかどうかは不透明だ。 ムハンマド皇太子は、石油にたよらない経済づくりや女性の社会進出を後押しする改革の主導者だ。しかし、23日からサウジの首都リヤドで開かれる大規模な投資会議は、事件を理由に出席を取りやめる企業が続出。皇太子の改革は支えを失う懸念が強まっている。

Continue reading...