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焦点:ルノー日産連合の危機、種まいたマクロン大統領のツケ

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カルロス・ ゴーン容疑者の 逮捕を機に、 日産自動車 は再度ルノー支配からの 脱却を試みようとしており、 マクロン・ フランス大統領は新たな悩みの 種を抱えることになった。 しかしこの 問題はマクロン氏の 「身から出たさび」 と言えるかもしれない。
[パリ 28日 ロイター] – カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を機に、日産自動車( 7201. T)は再度ルノー( RENA. PA)支配からの脱却を試みようとしており、マクロン・フランス大統領は新たな悩みの種を抱えることになった。しかしこの問題はマクロン氏の「身から出たさび」と言えるかもしれない。
2015年4月、当時経済相だった37歳のマクロン氏は、政府によるルノー株買い増しという驚きの命令を下した。国の議決権倍増の是非が問われる同月末の株主総会で、倍増を確実にするための工作だ。一夜にして下されたこの命令が、ルノー日産連合の日産側に深刻な波紋を広げる。
その後8カ月にわたるマクロン氏側と当時日産ナンバー2だった西川廣人現社長との闘いが、今日の危機の種をまいたと多くの関係者はみている。
「マクロン大統領自身がどっぷりと関わっている」と語るのは資産運用会社アライアンスバーンスタイン(ニューヨーク)のアナリスト、マックス・ウォーバートン氏。2015年の決断が「最終的にフランス政府の支配下に組み込まれてしまう」という日産側の危機感に火を付けたことを、マクロン氏は認識すべきだという。
昨年大統領に就任したマクロン氏は現在、街頭デモや過去最低の支持率に見舞われている。同氏の大胆な介入主義はかつては新鮮に映ったが、ルノー日産連合の危機を契機に、その負の側面に注目が集まるかもしれない。
マクロン氏が政府保有ルノー株の拡大に動く前年、当時のオランド大統領は「フロランジュ法」を定めていた。これは全上場企業について、株主投票により適用除外(オプトアウト)を選択しない限り、フランス政府など長期株主の議決権を2倍にするものだ。
<急襲>
マクロン氏は2014年末から数カ月にわたり、ゴーン氏とルノー取締役会に対し、翌年4月30日の株主総会でオプトアウトを提案しないよう説得を続けたが、ルノー側は首を縦に振らなかった。政府の持ち株比率は15%、議決権はそれを小幅に上回る比率だったため、政府は株主投票で負ける公算が大きかった。
そして4月7日の夕方、マクロン氏からゴーン氏に「礼儀上の」電話が入る。政府がルノー株を4.73%買い増したこと、そして翌朝にはそれを発表し、オプトアウト案を否決に追い込んだ後に買い増し分を売って持ち株比率を15%に戻すことを告げたのだ。
これについては、マクロン氏の批判派も称賛者も口をそろえて政府による前代未聞の「奇襲」だと言う。くすぶりつづけていたゴーン氏とマクロン氏のエゴのぶつかり合いが、この時爆発した。
マクロン氏は周囲の警告をよそに事を進め、オプトアウトを否決に追い込んだ。これによりフランス政府は事実上、ルノーの「可決阻止少数」株主となった。そのルノーは日産株の43.4%を保有して株主総会を支配している。
東京は殺気立った。日産は取締役会の構成や資本関係などに関する協定(RAMA)からの離脱をちらつかせる。離脱すれば自身より小規模な親会社ルノーの株式を自由に買うことができるようになり、ルノー支配を覆せる。
西川氏は2015年9月3日付のルノー取締役会宛ての書面で「連合の信頼の基礎であるルノーのガバナンス、ひいてはルノーの自主的経営に重大な影響が及ぶだろう」と告げている。書面はロイターが入手した。
日産の広報担当者はこの記事へのコメントを控えた。
西川氏はルノーに対し、日産の支配株を売却し、日産が保有するルノー株15%の議決権を元に戻し、連合に対する支配を放棄するよう求めた。しかしマクロン氏のスタッフは当初、ゴーン氏が振り付けたものだと考えてこれを無視する。
フランス政府の株式保有を管轄していた機関の高官は当時「ゴーン氏が日産と日本側の考えを語るとき、彼は自分の考えを語っているのだ。私からすれば全部たわ言だ」と話していた。
<見誤ったマクロン氏>
3年後の今、ゴーン氏は逮捕されたが、日産は再び同様の要求を突き付けようとしている。
元フランス政府高官の投資銀行バンカーは言う。「専門用語も言い回しも語彙も、2015年とほとんど同じだ。日本の立場を代表しているというゴーン氏の話をわれわれは信じていなかったが、本当に彼の作り話ではなかったことが分かった」
マクロン氏がルノーと日産の完全合併を求めて圧力をかけたことも、逮捕劇の数カ月前から日本側を警戒させていた。
両社と三菱自動車( 7211.

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