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川勝知事の訓示全文 静岡県の新規採用職員へ「県庁はシンクタンク」

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静岡県の川勝平太知事(75)が1日に県庁であった新規採用職員に対する訓示で、特定の職業に携わる人などへの差別とも受け止められかねない発言をした。訓示の全文は以下の通り。(静岡県の公式チャンネルでも配…
静岡県の川勝平太知事(75)が 県庁であった新規採用職員に対する訓示で、特定の職業に携わる人などへの差別とも受け止められかねない発言をした。訓示の全文は以下の通り。(静岡県の公式チャンネルでも配信されています)
静岡県知事の川勝平太でございます。この度、令和6年度 をもって、静岡県庁の職員として、職員を選んで頂いて、ありがとうございました。
 静岡県庁の職員5800人ぐらいいるんですけれども、県庁の職員すべてを代表いたしまして心からご歓迎を申し上げたいと思います。難関だったんじゃないですか? そうでもないですか?
 聞くところによると県庁の職員になるには、かなり高度な試験をマスターしなくちゃいけないと。かつ、そのための準備もひとかたならぬものがあるという風に聞いております。こういう形でみなさま方、同期になられた数は233名であります。そして、きょう、この本庁に配属になった方たちが77名いらっしゃる。残りの156名の方たちは、きょう からそれぞれの出先機関で辞令を受けるなり、そして、いま研修を受けられているという風に承知しておりますが、ともあれ、本当は全員にお顔を見せていただき、また、お話をしたかったんですけれど、70何名の方だけとはいえ、こうした形でお目にかかれて大変うれしゅうございます。
 今年はご案内の通りですね、能登半島ですさまじい地震がございまして、まだ厳しい生活を受けられている方がたくさんいます。一番最初にですね、心得ておくべきことは危機管理です。静岡県はみなさま方、生まれるはるか前、 、昭和で言うと54年になるでしょうか、その頃にですね、東海地震説というのが唱えられまして、で、東海地震で確実に静岡県は被害を受けると、 のことでございましたが、それ以来ですね、毎年、危機管理のための防災訓練をしていました。
 そのうち東海地震だけで単発で起こるんではなくて、東南海地震と連動する可能性があると、いや南海地震と3連動する可能性もあるということにもなりまして、いまはですね、南海トラフの巨大地震、これはプレートテクトニクスによって起こる地震ということですが、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む時にズレてですね、起こる地震ということで、この地震が仮に起こりますと、何もしなかった場合、30万人ぐらいの方たちが犠牲になると言われています。そのうち静岡県だけで10万人ぐらい犠牲になるという、そういう数値が ぐらいに出ました。
 静岡県では、もうその時からそれをゼロにしようということで、現在は8割ぐらいの人が想定ですけれども助かる形になっておりまして、ただし、まだ全員が助かるというのは。ですから、能登半島の大きな地震というのは決してひとごとではありません。
 従って、いつ何時そういうことが起こるかもしれないと、私どもはパブリック・サーバント、公僕ですからまずは自分が元気でなくてはいけませんので、自己の危機管理を最優先にしつつ、同時に人を助けるということですから、人助けのために何をするべきか、それぞれの班なり、部局で何をするべきかということが共通認識になっておりますので、また抜き打ちの、場合によっては防災訓練が行われる可能性もあります。その時にですね、戸惑わないで、落ち着いて、人を助けるためにまず自分が何をするべきかということを心得ておかねばならないという風に思います。
 これが、まず静岡県の、県庁としてですね、360万人の人たちの生命と財産を預かっておりますので、これを守るという危機管理をしっかりみんなの中に叩(たた)き込んでですね、仕事してください。
 それからですね、公務員ですから、人の役に立つと、それから社会の役に立つということがとても大切です。なかなか自分でそういう気持ちを持っていてもですね、それが出来るものではありません。そのためにはですね、やはり「職員のみなさま方は立派だ」という風に尊敬されていくことがとても大切で、これからコンプライアンスといって、法令順守のこともいろいろ言うかもしれませんけれども、基本的にですね、公務員として身に私を構えないと、公務においては身に私を構えない、これも大切なことですね。それから、公の仕事をしていますから、心は素直でうそ偽りを言わないと、これもとても大切なことです。
 それからですね、ちょっと難しいかもしれませんけれども、上にへつらわない、下に威張らない、まあ、下がいませんね……。ですから、上にへつらわないと。そういう気持ちが出てきてもですね、逆に仮に威張る人がいたらですね、こういうような上司にはならないということで反面教師にしてください。上にへつらってはならない、下に威張らないと。
 で、言葉遣いはとても大切です。ですから「です・ます」調というのが基本になるようにしていただければと思います。上司の方々もですね、それを心がけていますけれども、やはり年齢が離れていたり、責任が違いますので、場合によっては口語調あるいはため口になるかもしれませんけれども、基本的に言葉遣いは礼儀正しくするということがとても大切です。
 それから何より、人の艱難(かんなん)はこれを見捨てないと。人が困っている時にですね、助けるというのが我々の仕事です。ただ、それぞれ預かっている部局によって、これは自分の担当ではないということがあるかもしれません。だけど、静岡県庁に来られる人たちはですね、何か助けを求めて来る人、返事を求めて来る人がいますから、どうしたらこの人に力になれるか、それを一緒に考えるということが大事ですね。そういう癖を持つと。これは先例がない、前例がないということではなくて、どうしたらこれを解決できるかというように考えると。やがてみなさんもこれから60過ぎくらいまでお仕事されるわけですけれども、様々な部署に行かれると思います。その時にどういう風にすると一番いいかなということをですね、仮にその決定権を持っていなくても考えるということが大切ですね。で、もし可能なら、その担当局の方に紹介して差し上げるということも、それを出来る勇気を持っていたら大したもんです。人の艱難(かんなん)はこれを見捨てないということですね。
 それからですね、我々はふじのくに静岡県といいます。富士山、これは 世界文化遺産になりました。信仰の対象、または芸術の源泉ということで、あの品格のある姿、その姿を自分の心の姿にしていただければと思いますね。富士山に向かって恥ずかしいことをしない。つまり自分、天知る、地知る、己は己のことを知っていますから、天知る、地知る、そして自らも知っているということで、そこに富士山をかがみとして恥ずかしいことはしないということです。
 それからみなさん優秀ですから、なかなか物をわかってくれない人がいるかもしれない。その時にですね、情理を尽くすということが大切です。理屈ではわかっていても、腹にストンと落ちない場合があります。ですからハート・トゥ・ハートで、その心からこうすると本当に良いというように言って差し上げるとストンと落ちる場合がある。ですから情と理、情理を尽くして、自分が正しいと思う信念を貫くということが大切です。
 そしてですね、そのためにはですね、やっぱり勉強しなくちゃいけません。実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。で、それは磨き方はいろいろあります。知性を磨くということ。それからですね、やっぱり感性を豊かにしなくちゃいけない、それから体がしっかりしてないといけませんね、ですから文武芸、三道鼎立(ていりつ)と。文武両道というのは良く聞くでしょう。しかしですね、美しい絵を見たり、良い音楽を聴いたり、映画を見たり、演劇を見たりした時にですね、感動する心というものがあると望ましい。
 ですから、自分の知性がこの人に及ばないなと思ってもですね、知性というものを大切にするということが大事ですね。そのためにはやっぱり勉強しなくちゃいけません。それから体を鍛えると。しかし、スポーツが苦手な人もいらっしゃるでしょう。でも、スポーツを楽しむことはできますね。見たり、楽しむこともできます。まあ、無芸大食の人もいるでしょう。しかし、芸術を愛することはできますから、文武芸、三道鼎立ということでですね、豊かな人間になっていただきたいと思います。
 人に情けをかける、もののあわれを知ると昔からそういう風に言われますけれども、人に情けをかけることはですね、情けは人のためならずという言葉がありまして、つまり人のために助けるんですけども、結果的には自分のためになっているということが多いんです。ですから、人に情けをかけるという、困っている人は助けるということを、こうしたことをやってください。
 私はですね、いま八つくらい言ったわけです。身に私を構えず、上にへつらわず、正直であること、上にへつらわず下に威張らず、それから情理を尽くす、恥ずかしいことはしない、そしてですね、信念を貫く、そして情理を知る、人に情けをかけると、こういうことを言いましたが、まぁ富士山ですから末広がりで八つということですが、私が自らに課していることを前提に言っておきますと、来る者を拒まないと。知事室にお越しになる可能性があると思いますけれども開けっ放しです。東館の5階にあります。私の知事室は16年前までは開かずの扉で、部長さんあるいは副知事さんしか入らなかったそうですが、私は就任その日から観音開きの扉は開けっ放しです。ですから、いつでも入れるようにしてあります。来る者を拒まないという、そういう気持ちを表しているんですね。それから助力は惜しまないと。そのために存在しているのだと思っておりますから。
 で、大事なことは次です。見返りを求めないということです。とても大切なことですね。助けてあげる代わりに見返りをと言っては絶対にいけません。来る者は拒まず、助力は惜しまず、見返りを求めず、これを僕は実践してきました。
 いま静岡県はですね、注目されています。移住希望地、日本一が4年連続です。同時にですね、本当に移住してくる人が毎年増えているんですね。 に1300人くらい、 に1800人から1900人くらい、 ですか、2600人を超えました。で、昨年度どうなるかまだ数字は出ていませんけれども、実際に移住してくる方々の年齢構成もわかっておりまして、30代前後の人が8割を超えているんです。驚くべきことでした。つまり、 で81.

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