任期満了に伴うメキシコ大統領選は1日、 投開票があった。 地元メディアの 出口調査などによると、 新興左派の 野党、 国家再生運動(Morena)の アンドレス・ マヌエル・ ロペスオブラ
【メキシコシティ=丸山修一】任期満了に伴うメキシコ大統領選は1日、投開票があった。地元メディアの出口調査などによると、新興左派の野党、国家再生運動(Morena)のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール元メキシコシティ市長(64)の勝利がほぼ確実な情勢だ。トランプ米大統領にも通じるポピュリズム(大衆迎合主義)の政策を主張。既成政治の打破を訴え、汚職や治安悪化に対する国民の不満を取り込んだ。 集会で支持者にこたえるロペスオブラドール候補(4日、メキシコ中部イダルゴ州) 同氏は北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、トランプ米政権に「メキシコの望まない内容は受け入れない」として強い態度を示している。就任は12月だが、再交渉を現政権から引き継ぐ姿勢を示す。メキシコに進出する日本企業の方針にも影響しそうだ。 ロイター通信は地元調査会社パラメトリアの出口調査の結果としてロペスオブラドール氏が53~59%の得票率で当選する見通しだと報じた。地元経済紙フィナンシエロも出口調査の結果、同氏の得票率を49%と報じた。 与党の左派、制度的革命党(PRI)から出馬したホセ・アントニオ・ミード前財務公債相(49)は「調査結果は自分に有利でない」と述べた。事実上の敗北宣言と受け止められている。野党の中道右派、国民行動党(PAN)から出馬したリカルド・アナヤ前党首(39)も「電話でロペスオブラドール氏に祝福を伝えた」と話し、敗北を認めた。 大統領選には4人が出馬。残る1人の候補の支持率は極めて低く、事実上、ロペスオブラドール氏の勝利が決まった。決選投票はなく、最多得票の候補が当選する。 選挙管理当局は、1日午後11時(日本時間2日午後1時)をメドにサンプル調査による暫定結果を発表する。