大阪府門真市で2年前、市立中3年の男子生徒(当時15歳)が自殺した問題があり、市の第三者委員会が、同級生らによるSNS(ネット交流サービス)での中傷を含む計62件をいじめと判断し、自殺との因果関係を認める調査報告書を市に提出した。「死んでください」などという投稿が、生徒の死亡前まで繰り返されていた
大阪府門真市で2年前、市立中3年の男子生徒(当時15歳)が自殺した問題があり、市の第三者委員会が、同級生らによるSNS(ネット交流サービス)での中傷を含む計62件をいじめと判断し、自殺との因果関係を認める調査報告書を市に提出した。「死んでください」などという投稿が、生徒の死亡前まで繰り返されていた。第三者委は学校が組織的な対応を怠ったとして、「被害者支援や危機管理の視点が欠けていた」と非難した。
記者会見した男子生徒の母親と代理人弁護士が明らかにした。代理人によると、いじめには生徒がメンバーに入っていないSNSグループでの陰口も含まれており、被害者が知り得ない行為まで認定するのは極めて異例だという。
母親らは同級生らや市を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こす方針。
男子生徒は に市立中に入学した。1年生の頃からクラスメートらに仲間外れにされ、同級生が「死ね」と連呼する動画を友人らに拡散。母親らは学校にいじめを訴えていた。生徒は に自宅で自ら命を絶った。
市教委はいじめ防止対策推進法に基づく重大事態と判断し、専門家らによる第三者委を設置していた。
調査報告書や母親らによると、いじめとされた62件のほとんどがLINEやインスタグラムなどSNS上の中傷や暴言だった。全体の9割にあたる56件は3年生時に集中していた。
男子生徒には同級生からダイレクトメールで、「あほなん?」「きっしょ」などのメッセージが送り付けられ、亡くなる2カ月前には「誰にも見守られず死んでください」と書かれた投稿も確認された。
男子生徒が利用していたインスタグラムのアプリにも、「Sine(死ね)」「Uzai(うざい)」などと記した匿名の投稿が相次いでいた。
また、同級生計15人が男子生徒が含まれていないLINEグループで、「みんな無視で」「金魚のフン」などと頻繁にやり取りしていた。第三者委は「仮に存在を認識していれば心身の苦痛を感じる」として、これらもいじめと認定した。
報告書は、悪意に満ちた陰湿な中傷や仲間外れが執拗(しつよう)に続き、「男子生徒を心身の危機的窮地に追い込んだ」と指摘。いじめと自殺は密接に関連があると結論づけた。
一方、学校は男子生徒や母親からの被害相談やいじめをうかがわせる校内アンケートの記述があったにもかかわらず、校内でいじめ対策委員会を一度も開いていなかった。
第三者委は学校について「被害者支援や危機管理の視点から重大な問題があった」と批判。「SNS上のいじめは発見しにくくエスカレートしやすい」として、教職員の研修の徹底などを提言した。
門真市教委は「昨年 に報告書の答申を受け、公表に向けて調整している」としている。相談窓口
・ 間子供SOSダイヤル
いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。
0120・0・78310=年中無休、 間。
・子どもの人権110番
「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。
0120・007・110=平日の午前 半~午後 15分
・こころの悩みSOS(https://mainichi.