松方弘樹さんは釣り好きで知られた。山口県萩市の離島・見島の近海で開かれる「萩クロマグロトーナメント」に４回参加。３００キロ超の大物を釣り上げるなどし、うち３回で優勝した。
「大会を大きくするためにはよい景品を出さないと。参加費をもっともらってもよいのでは」と、トーナメントへの思いも強かったという。見島島おこし会の多田一馬会長（６８）は「気っ風の良い男の中の男のような方だった。もう一度、見島でマグロ釣りをさせたかった」。
トーナメントで競った重田省悟さん（６７）は、海がしけた時には漁師小屋でみんなと酒を飲み、大物を釣れば大喜びで港に戻ってきた姿を覚えている。「もう一緒に釣りができないと思うと残念」
トーナメントで松方さんが使ったさおを作っていた鹿児島県指宿市の釣具店「釣り工房舷」店長の工藤忠生さん（６７）は、毎年１月に２週間、長崎県の対馬海峡でともに釣りを楽しんだ。「すごく謙虚で研究熱心。こちらのやり方を一生懸命聞いてくれた」と振り返る。「残念でならない。こんなに早いとは思わなかった」
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