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選抜高校野球:1番打者は譲れない 創志学園、親友の2人

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第89回センバツ第3日の 22日、 第1試合で福岡大大濠との 初戦に登場した創志学園(岡山)は、 機動力が武器だ。 要となる「1番打者」 を山本蒼(あおい)主将(3年)と西林里久(りく)選手(3年)が争ってきた。 寮の 同じ部屋で生活し、 何でも話し合える親友同士だが、 野球では絶対に負けたくないライバル。 試合は3-6で敗れたが、 2人は夢舞台を疾走した。
第89回センバツ第3日の22日、第1試合で福岡大大濠との初戦に登場した創志学園(岡山)は、機動力が武器だ。要となる「1番打者」を山本蒼(あおい)主将(3年)と西林里久(りく)選手(3年)が争ってきた。寮の同じ部屋で生活し、何でも話し合える親友同士だが、野球では絶対に負けたくないライバル。試合は3-6で敗れたが、2人は夢舞台を疾走した。
入部当初、投手だった山本主将は1年の秋に打撃の技術を買われ、西林選手と同じ外野に転向した。「投手陣の一人という印象だった」と西林選手。ライバルになるとは思いもよらなかった。一方、西林選手のプレーを見た山本主将は「抜群にうまい」とうなった。俊足を生かし軽やかなステップで外野を守る姿に舌を巻いた。馬があい、仲良くなった。
2人とも50メートル5秒台で走る俊足で小技が得意。プレースタイルも似ている。練習の虫なのも同じで、朝は誰よりも早くから練習してきた。改善すべき点に気づくと遠慮なく指摘し合い、素直に耳を貸す。4人で暮らす寮でも布団は隣同士。好きな女の子も打ち明けられる。
昨夏の関東への遠征試合で、打撃が得意な山本主将が守備力でも結果を出し始めた。西林選手のプレーを間近で研究してきた成果だ。「自分の方が上だと思っていたのに抜かれると思った」と西林選手は打ち明ける。
昨秋の県大会の途中から山本主将が1番打者に座り、西林選手は8、9番を担うことが多くなった。西林選手は「蒼は出塁率や盗塁がすごいので、練習の密度を高めるよう意識している」と話す。山本主将は「里久は守備範囲が広いし、セーフティーバントもうまい。でも1番打者を譲る気はない」ときっぱり。
この日の1番打者も山本主将。練習で鍛えたセーフティーバントなどの小技を生かせず、「里久と練習をして甲子園レベルの投手も打てるようになりたい」と話した。西林選手は四回裏から左翼を守り、6番を担った。2三振に終わり、「お互い打撃に課題が残った。蒼と一緒に頑張りたい」。1番打者争いはこれからも続く。【益川量平】

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