【ワシントン高本耕太】 米南部フロリダ州で17人が犠牲になった銃乱射事件を巡り、 米連邦捜査局(FBI)は16日、 1月にニコラス・ クルーズ容疑者の 危険行動に関する通報を受けながら放置し、 追跡捜査を怠っていたと発表した。 容疑者の 知人からの 「学校で銃撃に及ぶ可能性がある」 との 内容で、 適切に対応していれば事件を未然に防げた可能性もある。
【ワシントン高本耕太】米南部フロリダ州で17人が犠牲になった銃乱射事件を巡り、米連邦捜査局(FBI)は16日、1月にニコラス・クルーズ容疑者の危険行動に関する通報を受けながら放置し、追跡捜査を怠っていたと発表した。容疑者の知人からの「学校で銃撃に及ぶ可能性がある」との内容で、適切に対応していれば事件を未然に防げた可能性もある。
FBIによると、同局が設置する犯罪情報ダイヤルに1月5日、クルーズ容疑者に「近い人物」から通報があり、容疑者の銃所持や殺人願望、ソーシャルメディアへの書き込みなどから学校で銃撃事件を起こす可能性が類推されることなど、具体的な情報提供があった。
情報はFBIの規定で「生命に危険が及ぶ恐れ」に該当するものだったが、所管のマイアミ支局に伝達されず、追跡捜査も実施されなかったという。 FBIのレイ長官は声明で、対応の非を認めたうえで「深い遺憾の意」を表明した。事件の被害者や遺族にも状況を説明したとしている。
クルーズ容疑者は昨年9月に、学校襲撃を予告する内容のコメントを動画投稿サイトに実名で投稿。この際もFBIに通報があったが、FBIは人物の特定に至らなかったと説明している。
FBIを所管するセッションズ司法長官は16日、声明で「兆候や情報があったにもかかわらず見逃された。悲劇的な代償を目にしている」と述べ、徹底した検証を指示したと発表した。一方、地元フロリダ州のスコット知事は声明で「受け入れがたい失策だ。謝罪しても17人の無垢(むく)な命は取り戻すことはできない」と、FBIの対応を厳しく批判。レイ長官の辞任を要求した。