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南スーダン日報:次第に追い込まれる稲田防衛相

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統合幕僚長らを厳重注意と発表したが… 南スーダンの 国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊の 日報問題で、 稲田朋美防衛相が次第に追い込まれている。 「廃棄した」 はずの 日報の 存在が明らかになるまでの 経緯に関し、 稲田氏や防衛省の 説明には多くの 疑問点が残る。 稲田氏は10日、 河野克俊統合幕僚長らを厳重注意したと発表したが、 野党の 追及は収まりそうにない。
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊部隊の日報問題で、稲田朋美防衛相が次第に追い込まれている。「廃棄した」はずの日報の存在が明らかになるまでの経緯に関し、稲田氏や防衛省の説明には多くの疑問点が残る。稲田氏は10日、河野克俊統合幕僚長らを厳重注意したと発表したが、野党の追及は収まりそうにない。
稲田氏は会見で「私への説明に一定の準備が必要ということは理解できるが、見つかった事実をすぐに報告すべきだった。関係部署に厳しく指導し、注意した」と述べた。
統幕から防衛相への報告の遅れが発覚したことで、日報の問題は、自衛隊の「情報隠し」だけでなく、文民統制(シビリアンコントロール)が機能しているかどうかという疑念も生んだ。
問題の発端は、ジャーナリストからの情報開示請求だった。防衛省は昨年10月3日、南スーダンの首都ジュバで大規模な武力衝突が発生した同7月7~12日に陸自派遣部隊が作成した日報の開示請求を受理し、12月2日に「日報はすでに廃棄されている」との理由で文書不開示を決定した。同省によると、当時陸自の関連部署を調べたが、見つからなかったという。
稲田氏は9日の衆院予算委員会で、昨年12月16日に廃棄の報告を受けたが「第1次資料の日報を本当に破棄したのか。しっかり捜すべきだ」と再調査を指示したことを明らかにした。
公文書管理担当相を経験した自民党の河野太郎衆院議員は「電子データは残っているはずだ」と問題視し、同月22日に防衛省に再調査を要請した。同省によると、同月26日に統幕に日報が電子データで保管されていることが判明したという。
しかし、統幕が稲田氏に報告したのは、今年1月27日。統幕は理由について、派遣部隊との事実関係の確認や不開示部分の調整などに時間がかかったと説明している。同省は2月6日、日報の存在を河野太郎氏に報告したうえで、7日に一部黒塗りで公表した。
日報を当初「廃棄した」と説明した点について、同省関係者から「隠蔽(いんぺい)と見られても仕方がない」と厳しい声が出ているが、稲田氏は隠蔽を否定している。
日報で武力衝突を「戦闘」と記述した問題も含め、野党は反発を強めている。民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は10日の記者会見で「組織上のガバナンス(統治)はどうなっているのか。防衛相がしっかりと指揮命令を執れているのか疑義が生じている」と述べ、国会でさらに追及する考えを示した。【村尾哲、光田宗義】

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