世耕弘成経済産業相は9日の 閣議後記者会見で、 国の 制度融資で本来は対象外の 中小企業に不正に融資していた政府系金融機関の 商工中金に対し、 同日中に業務改善命令を出す方針を表明した。 また、 不正の 調査対象を全件に拡大するよう求めた。
世耕弘成経済産業相は9日の閣議後記者会見で、国の制度融資で本来は対象外の中小企業に不正に融資していた政府系金融機関の商工中金に対し、同日中に業務改善命令を出す方針を表明した。また、不正の調査対象を全件に拡大するよう求めた。
世耕氏は、商工中金が第三者委員会に依頼して実施した調査の対象が全体の12・6%だったことについて「全件調査をしっかりやり、問題の所在と根本原因を特定することが重要」と指摘。調査対象の拡大が必要との認識を示した。商工中金の処分についても「役員の減給処分だけで済む話ではない」と不満を示し、担当者の処分や企業統治の強化を求めた。
不正が行われたのは、震災や為替変動などの影響で業績が悪化した中小企業を対象にする危機対応融資制度。第三者委によると、商工中金は融資件数を増やすため、融資先候補企業の業績が実際より悪くなったように書類を改ざんし、融資条件をクリアしていた。商工中金が融資のために国から不正に受給した額は2億1300万円に上り、さらに膨らむ可能性もある。【片平知宏】