【カイロ＝倉茂由美子】 イラク国営テレビによると、 イラク軍は１５日夜、 同国北部の クルド自治政府と帰属を争う油田都市キルクーク県に向けて進軍した。 双方の 間で一時、 砲撃の 応酬があったとも伝えており、 本格的な武力衝突に発展し【国際】
【カイロ＝倉茂由美子】イラク国営テレビによると、イラク軍は１５日夜、同国北部のクルド自治政府と帰属を争う油田都市キルクーク県に向けて進軍した。 双方の間で一時、砲撃の応酬があったとも伝えており、本格的な武力衝突に発展しないか緊張が高まっている。 イラク軍はイスラム教シーア派民兵組織の援護を受け、進軍を始めた。イラクのアバーディ首相は、「全ての市民を保護し、キルクークの安全を確保するよう命じる」との指示を軍に出した。国営テレビは、クルド自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」による大きな抵抗はなく、すでに「イラク軍が広大な領域を支配した」と報じた。 一方、クルド系テレビ局「ルダウ」などによると、キルクーク県南部で、イラク軍側とペシュメルガによる武力衝突があったという。死者が出ているとの情報もある。 クルド自治政府が９月にイラクからの分離・独立の是非を問う住民投票を強行したことに対し、イラク政府は自治政府への制裁を強め、緊張が高まっている。イラク政府は、自治政府側が実効支配するキルクークの軍事施設や油田を引き渡すよう求めていた。
