財務省が19日発表した2月の 貿易統計速報(通関ベース)によると、 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は34億円の 黒字だった。 貿易黒字は2カ月ぶり。 米欧向けの 輸出が堅調で、 前年同月を上回った。 中国向け
財務省が19日発表した2月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は34億円の黒字だった。貿易黒字は2カ月ぶり。米欧向けの輸出が堅調で、前年同月を上回った。中国向け輸出は春節(旧正月)休暇の影響で伸びが鈍った。輸入額は原油価格の上昇などで膨らんだ。 事前の市場予想(QUICK調べ、中心値)は輸入が6兆5653億円、輸出が6兆3694億円。996億円の貿易赤字を見込んでいた。 輸出額は前年同月比1.8%増の6兆4630億円だった。15カ月連続で増加したものの、輸入に比べると伸びは小さかった。米国向けは4.3%増。自動車の輸出が1割増で、3カ月ぶりに前年同月比でプラスだった。欧州連合(EU)向けは11.5%増だった。自動車や金属加工機械が4割近く増えた。 中国向け輸出は9.7%減少した。品目別では液晶デバイスを含む科学光学機器などが減った。中国向けの輸出が減少したのは16カ月ぶりで、春節による現地の工場停止の影響が出たとみられる。 輸入額は16.5%増の6兆4596億円だった。14カ月連続で増加した。国際的な資源価格の上昇で液化天然ガス(LNG)が18.8%増、石油製品が36.2%増えた。原粗油は数量で13.8%減ったものの、金額では2.5%増えた。 輸入を地域別に見ると伸びが目立つのは中国で、39.2%増の1兆5052億円だった。衣類が55.2%増、パソコンなど電算機類が18.6%増だった。財務省は「春節で工場が停止する前に、中国からの輸入が増える傾向にある」とした。昨年は春節が1月下旬に始まったのに対し、今年は2月中旬から始まったため、2月の輸入額が大きくなったとみられる。