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折衝大詰め 米国務長官、金英哲氏を厚遇

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【ニューヨーク高本耕太】 北朝鮮の 金英哲(キム・ ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が30日、 ニューヨークを訪問し、 ポンペオ米国務長官と会談した。 トランプ米大統領と金正恩(キム・ ジョンウン)委員長との 首脳会談実現に向けた大詰めの 折衝を進めた。 非核化の 方式・ 期限や体制保証の あり方など合意内容の 調整に加え、 両
【ニューヨーク高本耕太】北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が30日、ニューヨークを訪問し、ポンペオ米国務長官と会談した。トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長との首脳会談実現に向けた大詰めの折衝を進めた。非核化の方式・期限や体制保証のあり方など合意内容の調整に加え、両政府間の信頼関係を醸成する意味合いも濃い。
5月24日にトランプ氏が金委員長に宛てた書簡への「返信」を、金副委員長が伝達するとの観測もある。
会談は1時間半にわたり夕食会形式で開かれ、ポンペオ氏はツイッターに「良い会談だった」と書き込んだ。同時に金副委員長と笑顔で握手をしたり、乾杯したりする写真を投稿。融和ムードを演出した。会場はニューヨーク市内の高層マンションにある、米国連代表部次席大使の公邸。ポンペオ氏や国務省によるとメニューは「ステーキやトウモロコシ、チーズ」。飲み物には「アイラ島産のスコッチウイスキー」が振る舞われたという。
両氏の会談は3回目。5月9日のポンペオ氏の2回目の訪朝時には、金副委員長がポンペオ氏を昼食に招待しており、今回はその返礼の意図が込められている。
北朝鮮軍の情報・工作機関である偵察総局のトップを長年務めてきた金副委員長は、核・ミサイル開発に関与したとして、資産凍結など米財務省による制裁対象となっている。だが、今回の訪米にあたって、適用除外の特例措置がとられた模様だ。金副委員長は北京経由で空路ニューヨークに到着。滑走路で飛行機から直接、用意された車に乗り込み、市内の移動はパトカーが先導する厚遇を受けている。
会談後、国務省高官は「両首脳の腹心同士が、首脳会談実現のために何が必要か協議を続けている」と説明した。朝鮮半島の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」と引き換えに、金正恩体制の保証や経済支援を提供する姿勢を示す米側に対し、北朝鮮は「将来的な約束」以上の物理的な見返り措置を求めているとされる。
両者は31日もニューヨークに滞在し協議を続ける。ポンペオ氏が同日午後に記者会見し、成果を発表する見通しだ。
北朝鮮最高幹部クラスの訪米は、2000年の趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委員会第1副委員長(当時)以来18年ぶり。金副委員長は初訪米で、北朝鮮外務省で対米政策を担当するチェ・ガンイル北米局副局長が随行している。また30日の夕食会には、ポンペオ氏の訪朝に同行したアンドリュー・キム米中央情報局(CIA)朝鮮ミッションセンター長が同席した。
一方、ホワイトハウスのサンダース大統領報道官は30日の記者会見で、朝鮮半島の南北軍事境界線上にある板門店で開かれていた外交当局者による米朝実務協議や、シンガポールで継続中の首脳会談会場設営などに関する先遣チームの協議について「前向きな内容だったと報告を受けている」と説明。当初の予定通りの「6月12日に会談が開かれることを期待している」と述べた。

開催予定地のシンガポールで続いている先遣隊による米朝実務協議は3日目の31日、会場設営や警備などについて3時間ほど話し合った模様だ。
韓国・聯合ニュースによると、北朝鮮のキム・チャンソン国務委員会部長らを乗せた車が同日午前10時すぎに宿泊中のフラトンホテルを出発し、交渉相手のヘイギン米大統領次席補佐官らが滞在するカペラホテルに入った。車は、午後1時半ごろホテルを出て、再び北朝鮮側ホテルに戻った。両者は30日も4時間にわたり協議をしている。

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