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インテル、好業績でも株下落 くすぶるCEO不在

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米インテルは26日、 4~6月期の 売上高が15%増の 169億6200万ドル(1兆8800億円)となり、 同四半期として過去最高を更新したと発表した。 2018年通期の 見通しも上
【シリコンバレー=佐藤浩実】米インテルは26日、4~6月期の売上高が15%増の169億6200万ドル(1兆8800億円)となり、同四半期として過去最高を更新したと発表した。2018年通期の見通しも上方修正し、好決算であることに疑いはない。ただ、発表後の時間外取引で株価は下落。最高経営責任者(CEO)が「不在」の状況がしばらく続きそうなことが、停滞の目立ち始めた老舗への懸念を強めている。
好決算でありながら、発表後の時間外取引で株価は下落
「時期が固まっているわけではないが、取締役会は緊急の意識で(新たなCEO探しに)取り組んでいる」。26日の電話会見でインテルのボブ・スワン最高財務責任者(CFO)はこう説明した。3カ月前までは一緒に決算会見に臨んでいたブライアン・クルザニッチ氏の声はない。
過去の従業員との交際がインテルの管理職の規範に違反する行為だったという理由で、クルザニッチ氏がCEOを辞したのは1カ月あまり前。以降はスワン氏が代役を務めているが、投資銀行ノースランドキャピタルマーケッツのガス・リチャード氏は「恒久的なCEOがいないことで戦略的な意思決定は遅れる」と手厳しい。
投資家らが意思決定の遅れを気にするのは、製造技術や半導体設計でのインテルの優位性低下が目立ってきたからだ。
とりわけ、26日の会見では回路線幅が10ナノ(ナノは10億分の1)メートルのチップの量産開始が2019年末に遅れることや、将来の競争上のリスクを問う質問が相次いだ。いまやエヌビディアからグーグルまで、多くの企業がインテルの事業領域に入り込みつつある。設立50年を迎えた老舗は今の地位を守り続けられるか、誰がかじを取るのか。投資家の関心は目先の業績よりもそちらへと移っている。
米ブルームバーグ通信は最近の記事で、インテルのデータセンター部門長を経て最近までグーグルクラウドで最高執行責任者(COO)をしていたダイアン・ブライアント氏や、元社長のレニー・ジェームズ氏といった女性候補の名前を挙げた。クルザニッチ氏が交際を理由に辞任したもあり、イメージ刷新のために女性を推す声があるのだ。一方でシリコンバレーのなかでも古い企業ゆえに「最終的には白人男性に落ち着く」(半導体企業の社員)との見方もある。
スワン氏は新たなCEOの選定について「社内外での候補者の洗い出しは順調に進んでいる」と話すにとどめた。最終的な決定までにはまだ数カ月かかるとみられる。一つ言えるのは、新CEOが率いる数年間はあらゆるモノがネットにつながるようになり、求められる半導体の量も質も大きく転換する時期と重なること。当然、覇権争いも激しくなる。人選をあやまれば、影響は在任期間にとどまらない。

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