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水蒸気量は台風並み 名古屋大教授が分析

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西日本を中心に甚大な被害を出した豪雨は、 台風の 中心付近に匹敵するほど大量の 水蒸気を含んだ気流がもたらしていたことが、 坪木和久・ 名古屋大教授(気象学)の 分析で分かった。 昨年7月の 九州北部豪雨をもたらした気流の 水蒸気量より約10~20%多かったという。 非常に湿った空気が停滞する梅雨前線に流れ込み、 記録
西日本を中心に甚大な被害を出した豪雨は、台風の中心付近に匹敵するほど大量の水蒸気を含んだ気流がもたらしていたことが、坪木和久・名古屋大教授(気象学)の分析で分かった。昨年7月の九州北部豪雨をもたらした気流の水蒸気量より約10~20%多かったという。非常に湿った空気が停滞する梅雨前線に流れ込み、記録的な豪雨につながったと考えられる。
今回の豪雨では、台湾から沖縄付近の東シナ海で3~6日に多数の活発な積乱雲が発生し、上空まで大気を湿らせ続けた。この大量の暖かな水蒸気を含んだ空気が南西風に乗って北東方向に進み、本州付近に停滞していた梅雨前線に供給され続けた結果、前線が活発化し、広い範囲で長時間の降雨をもたらしたとみられる。
坪木教授は、海水温や気圧配置などのデータから、当時の雨雲の状況をコンピューターで再現した。その結果、沖縄付近では、水平面積1平方メートルの大気の柱に推定70~80キログラムの水蒸気が含まれていたことが分かったという。これは通常の台風並みの量で、九州北部豪雨の同60~70キログラムより約10~20%多かった。
南の湿った空気が前線に流れ込んで日本列島各地に雨を降らせる現象は、梅雨の時季に典型的な降り方だが、坪木教授は「水蒸気の量がわずかに違うだけでも実際の降雨量はかなり変わる。台風でもないのに、これほど大量の水蒸気が流れ込んだことが今回の豪雨の大きな要因だろう」と分析している。【阿部周一】

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