絢子さまは宮内庁を通じて「滞りなく納采の 儀を終えられましたことをうれしく思います」 と感想を出した。
高円宮家の三女・絢子さま(27)と、日本郵船社員の守谷慧さん(32)との結納にあたる「納采(のうさい)の儀」が12日午前、東京・元赤坂の高円宮邸で行われた。お二人の婚約が正式に成立した。絢子さまは宮内庁を通じて「滞りなく納采の儀を終えられましたことをうれしく思います」と感想を出した。挙式は10月29日に明治神宮で行う。
12日午前10時ごろ、守谷さんの使者として親族の男性医師が宮邸を訪れ、絢子さまや母の久子さまの待つ応接間に入った。絢子さまの父、故高円宮さまの肖像画が飾られた部屋に、納采の品である鮮タイ、清酒、洋服地が並べられた。絢子さまは薄い水色のワンピース姿だった。
使者が「守谷慧は結婚を約するために、絢子女王殿下に納采を行いたく存じます。なにとぞ幾久しくお納め下さいますようにお願い申し上げます」と述べると、絢子さまは「謹んでお受けいたします」と答えた。続いて、使者が納采の品の目録を載せた台を差し出し、絢子さまが受け取って儀式は終了した。
この後、絢子さまと久子さまが皇居・御所を訪れ、天皇、皇后両陛下に報告した。赤坂御用地を車で出る際、報道陣から「おめでとうございます」と声がかかると、絢子さまは笑みを浮かべて一礼した。
同日夕には守谷さんと父治(おさむ)さんが皇居・御所で両陛下と初めて対面する。
絢子さまと守谷さんの出会いは昨年12月、守谷さんの母の季美枝さんと親しかった久子さまの紹介だった。ともに家族を亡くした経験を共有していることがお二人を強く結びつけたといい、絢子さまは7月2日の会見で「日々の何げない出来事にも喜びや楽しさを二人できちんと感じていきたい」と語った。最近でも、守谷さんが宮邸を訪れたり、久子さまを交えて食事をしたりするなどして交流を深めていた。(島康彦)
(朝日新聞デジタル 2018年08月12日 12時36分)